不機嫌。イライラ。情緒不安定な毒母。子供への影響 (2)

不機嫌。イライラ。情緒不安定な毒母。子供への影響 (2)

私の母は気分に波のある人でした。 ...

イイコでないと機嫌が悪くなる母親

そして、その波の原因はたいてい私。頭がいいと思われていた(実際は並です)私は、幼い頃から母の期待の星。私がいい子でいる限りは、機嫌がいいのですが、そうでないと、途端に不機嫌になります。怒り出したり、愚痴ったり、あるいは、ひどく深刻そうな、悲しそうな顔になり、私が母の理想どおりに振舞わない限りその機嫌は直りません。

親の機嫌が悪いのは私のせい・・

私は幼くして、どう振舞えば母の機嫌が維持され、何をしたら機嫌が悪くなるのか、学んだのだと思います。それと同時に刷り込まれたのは「母の機嫌が悪いのは、私のせい」。そしてそれはいつしか、「他人が気を悪くしたのは、すべて私のせい」という考えとして私の中に定着しました。

毒親育ちの特徴「責任感過剰」

毒親育ちの特徴のひとつに「他人の感情に責任を感じてしまう」というのがあるそうです。それを知ったとき、本当に驚きました。だってそれが普通だと思ってたから。私は、母に限らず、何か発言する前には、これを言ったら相手がどういう反応をするだろうか、と瞬時に考え、少しでも相手が気を悪くしそうだと思ったら決して口にしません。相手が想像していたのと違う反応をすると、気を悪くしたのではないかと自分の言動に責任を感じてしまいます。後々まで自分の言動を振り返り、どこか自分に悪いところはなかっただろうかと「復習->反省」し、頭の中がそのことでいっぱいになってしまいます。

感じ続けた生き辛さ

よく言えば「気遣いのできる人」なのかもしれません。しかし今となっては、空っぽの気遣いだったなと思います。だって、私には「自分」がない。いつでも他人に合わせているだけ。でも「他人の感情に責任を感じなくてもいい」という普通の人には当たり前の、私にとって画期的に新しい考え方は私を変えました。

自分の機嫌は自分で治す

まず変わったのは「私の機嫌は、他人に取ってもらうものじゃない」と思えるようになったこと。

たとえば、私がせっかく買ってきたケーキを、夫が「コレ好きじゃない」と言ったとき。私はすぐイライラしたし、夫のせいにしていました。「私が気を悪くしたのはあなたのせいだ。もっと私に気を遣ってよ!」と思っていました。私は、人の感情の責任を取る代わりに、私の感情の責任を人に取ってもらって当たり前だと思っていたのだと思います。

夫は、感じたことを正直に私に伝えてくれたまでで、私が気を悪くしてもそれは夫のせいじゃない。今度は一緒に行って選んでもらおうと思うのでも、「どんなのがよかった?」とその場で聞くのでも、「気に入ると思ったのに~」と笑い飛ばしてしまうのでもいい。自分の中の負の感情は他人のせいにしないで、自分で処理すればいい、処理できるものなんだなと知り、生まれてはじめて、誰かと本音で付き合えている実感が沸きました。

毒親からの回復

自分が気を悪くしたときの解決方法は身についても、自分の言動で相手が気を悪くしたのではないかと「心配->復習->反省」し頭がグルグル空回りし続ける癖はなかなかなくならない。そういうときには、まず「私に、相手を傷つけるつもりはあったか?・・なかった。それなら、必要以上に責任を感じるのはやめよう」と気分を落ち着かせ、「私は私の思ったことを口にしていいんだ。相手の人にも、その人が思ったことを口にしていいように」と気持ちを強く持つようにしています。

毒親から解放されて気づいたこと

「相手が気を悪くしていたとしても、それをどう処理するかは、その人が決めることなんだな。その人の感情はその人のものだもの」。最近は、他人と自分との間に境界線(ボーダーライン)がきちんと作れるようになりました。「自分の境界」ができて、逆に以前より他人も大事にできるようになった気がします。今度こそ、本物の気遣いのできる人間に、いつか成長できればいいと思います。


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