子供に厳し過ぎる母親。自己主張が許されなかった娘の末路 (2)

「あなたは人に厳しすぎる」。 ...

私の親は毒親なのではないだろうか、と思うと、母のその言葉が幻聴のように聞こえてくるのです。私は厳し過ぎるから、自分の親のことを「毒親だ」などと言いたくなるのだ。私の方が間違っているのだ、と思えてくる。

何度も何度も毒親の本を読みました。夫にも何度も聞きました。「あなたは、私が厳し過ぎると思う？」。夫は苦しむ私に、何度でも答えてくれました。「思わないよ」。

親が間違ってる、いや、私が間違ってる・・私は５年以上もの間、その間を行ったり来たりしました。辛かった。母の洗脳下にあったときの人生も決して楽じゃなかったけれど、洗脳を解こうとしていたあの５年間はさらに辛かった。

さんざん悩み、泣き、疲れ果てた頃に、私は、私なりの結論に達しました。私のことを「人に厳しすぎる」という人もいる。しかし夫のように「別にそうは思わない」と言う人もいる。「もう、どっちでもいいじゃないか」。私は「母の言うことが絶対」「母の言うことはいつでも正しい」と思わされてきました。それが私にとっての最大の洗脳でした。だから私には、母の言葉を「そういう意見もあるな」程度には決して受け取れなかったのだと思います。

「私が人に厳しいのか、厳しくないのか、どっちが正しいかなんてわからない。それより大事なことは、私がどう生きるか。私が自分でその生き方を選択している、ということなんだ」。

夫に聞きました。「私が厳しい人でも、厳しくない人でも、どっちでも好きでいてくれる？」。「当たり前でしょ」。夫はニッコリ笑っていました。私がどんな人だったとしても、ありのままを受け入れてくれる、人を愛するってこういうことなんだな、と初めて知った気がしました。

私は別人のように生まれ変わりました。もう誰かのことを不満に感じることもありません。５年３か月かかって、私はやっと母から解放され、自分らしさを手に入れました。

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