子供を自立させない毒親 (2)

仕事の話をすれば、私の仕事ぶりにもダメ出ししました。「あー、それはあなたの悪いところね」。あなたのこと一番わかってるのは私よ、と言われている気がしました。 ...

私は、母がうっとうしく感じられ、母とはあまり会わなくなりました。しかしその間も、私は絶えず悩んでいました。苦労して育てた私が、母を遠ざけるようになって、悲しんでいるに違いない。しかし、自分の生活に口を出されたくない・・。

母を遠ざけている私が悪いのか、自立した子供の生活に口を出す親が悪いのか・・。『毒親』という言葉を知らなければ、私は一生、自分を責め続けたと思います。「苦労して育ててくれたのに、母を満足させてあげられなくて申し訳ない」と。

毒親の洗脳が解けた今、私は、母が共依存だったのではないかと思っています。

冷静に振り返ってみると、母は自分では何もできない人でした。趣味もなく、友達もほとんどいない。家事が特別好きなわけでもなく、働きに出てもすぐやめてしまう。そんな母にとって、たったひとつ誇りだったことが「子育てしてる私」だったのではないか。

そんな母にとって、私は「育てにくい難しい子」だった方が都合がよかったのだと思います。「私は、こんなに大変な子を育てているの」と周りにアピールすることで、自分を保っていた。子供に依存して生きてきたのだと思います。

「私は特別育てにくい子でも、問題児でもなかったんじゃないかな」。生まれて初めてそう思えました。私はそんなに負い目を感じることはないんだ、母が勝手に騒いでいただけだ、と思えたら、自分がごくごく普通の人に思えて、気持ちが軽くなりました。私は知らない間に、母の子育て大変アピールに、随分傷ついていたんだな、と思いました。

「母は、偉そうに言ってたけど、空っぽな人だったんだな・・」。私の中で、私の行く手を阻む大きな大きな障害物のような存在だった母の姿は、小さくなりました。私は４０歳を目前にして、やっと親から自立できました。

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