子供の評判ばかり気にしている母親 (2)

私は、「この人と、友達になるべきか、ならないべきか」なんてこと考えずに、もっと純粋に人付き合いを楽しむべきでした。しかし、子供のうちにしておくべきだったその経験が私にはない。私は今でも、人付き合いが楽しいと思えないし、思ったこともない。ただひたすら憂鬱の種でしかありません。そして、そんな自分は「人付き合いがうまい人と比べて、劣っている」と思い込んでいる・・。 ...

『毒親』という言葉を知って、私の憂鬱の種は、親の洗脳なのかもしれない、と思いました。そして、こんなつまらない人生やめてしまおう、と思いました。私は、携帯の番号を思い切って変えました。親には、新しい番号を伝えませんでした。そして、友達にも。新しい番号を伝えておきたいと思った友達は、私にはひとりもいませんでした。

寂しくないと言ったらウソになります。しかし、自分に嘘をついてまで、誰かと友達でいる必要あるだろうかと思えたことが、私にとって大きな一歩だったと思います。最初は「こんな自分でいいのだろうか」と悩むこともありましたが、あれから３年たって、私はこの決断を微塵も後悔していません。むしろ、そうやってしがらみを思いきって断たなかったら、今の自分はなかっただろうと思います。

それまで仲良くしてきた友達からは、今だに年賀状が届きます。なぜ、突然縁を切るような態度を取ったのか、きっと不思議に思っていると思います。でもそれは言っていないし、これからも言わないでしょう。事情はあまりに複雑すぎる。中学や高校のときからずっと仲良くしてきたけれど、実はあなたと仲良くしておかないと、親から「ダメな人」のレッテルを貼られそうで怖かったからだ、なんて言えるわけがないし、わかってもらえるようなことでもない。

人にはそれぞれ、人に言えない、あるいは、説明するだけ野暮になる、いろいろな事情がある。「そっとしておいてあげることが、何よりの思いやりだってこともあるんだな・・」。自分にそんな「事情」ができて、それがわかりました。

心が落ち着いてきて、親からもやっと解放された気がします。

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