自分のことを自分で決めたら「自己中だ」「ひとりよがりだ」と親から責められた (2)

自分のことを自分で決めたら「自己中だ」「ひとりよがりだ」と親から責められた (2)

僕は、東京の会社に10年勤務し、地元に戻る決心をしました。地元に帰るたびに感じる東京との格差。地元の友達とも話をしました。民間で働いたことのある人や、一度地元を離れた人の経験を、地方自治に生かそうとしている動きがあることを知りました。これまでの経験を地元のために生かし、ふるさとに貢献したいと思い始めました。 ...

僕は実家に帰り、「社会人採用枠」で地元の地方公務員試験に合格したことを、両親に伝えました。なぜだか父は、烈火のごとく怒り出しました。「だから俺は言ったんだ。地元で就職しろって」。「あのとき俺が、紹介してやろうって言ったときには、言うこと聞かなかったくせに」。「地元に帰ってきても、お前のことなんか知らないからな!」。

父は、一方的に僕を攻撃(口撃)し続けました。「お前はいつも、ひとりよがりなんだ。地元に戻ってくるなら、どうしてあのとき、俺に口を出すなとか言ったんだ」。「お前は、親の言うことを本当に聞かない。周囲の人間を突っぱね、傷つけてる」。「口を挟まないでくれ、って言われたから、俺は、もう2度とお前のためには何もしてやらないって決めたんだ」。「親でもなきゃ子でもない。地元に帰ってきたって、赤の他人だ」。

そんなことを1時間ほど言われ続け、その場を離れようとしました。トイレに行って、そのまま外に出ようとしたら、「逃げるのか!!」と追いかけられました。「ここに座れ」と、また一から説教のやり直しになりました。「お前は一度、出ていった人間だ。俺は厳しい人間だ。そういうやつとは、それなりにしか付き合わない。そういう目でお前を見る」。

公務員試験を「社会人経験者枠」で受けることは、前の就職が失敗だったということであり、僕の20代は、「無」に等しい。親の言うことを聞いておけばよかったのに、それをしなかったから、こんな「失敗」することになったんだ、というのがおおまかな父の主張でした。

「お前は、就職の何たるかを知らない。だから、俺が教えてやろうと思ったのに、聞きもしない。お前は、社会人の入り口から間違ってたんだよ」。昼食を食べ終わってから、夕飯までの5時間。何度、そのセリフを言われたことか・・。

僕はつくづく感じました。言葉の暴力の威力は恐ろしい。長時間の拷問により、気が狂ってしまう。父の言っていることは、ちょっと、いえ、かなりおかしい。それは明らかなのに、「そんなにいけないことをしたのだろうか・・」と思わず考えてしまいそうになる自分がいて、自分でも驚きました。

僕は今、地元の市役所で、観光振興やブランド化に関する仕事をしています。就職するとき、「前職の経験を活かし、地域活性化と東京とのパイプ作りに貢献して欲しい」と言われました。父のような考えの人も、かなりいるのだろうか、とも思いましたが、働いてみれば、父ほど偏った考えの人は、いませんでした。

父とは目と鼻の先に住んでいるけれど、会うことはありません。実家に帰らないなら帰らないで、「顔も出さない。あいつは態度が悪い」と僕のことを触れ回っているそうです。「毒親って本当にいるんだな」と思いました。しかし・・まさか自分の親がそうだったなんて。毒親は、傍から見るよりはるかに恐ろしい存在でした。


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