お金で娘をコントロールするバカ親。その末路 (2)

「お前には無理」。何かにつけそう言いました。私は、東京の大学へ進みたかったのだけれど、「お前にひとり暮らしは無理だ」と言われました。簡単には引き下がらなかった私だけれど、あれやこれやと、私のいたらない点をこれでもかと言われ続け断念しました。今思えば、激しい拷問の末に追い詰められ、思っていないことを言わされてしまった人のようでした。 ...

私が結婚するときには、耳を疑うようなことを言い出しました。父は、彼の人となりよりも先に、収入を聞きました。そして、自分より少ないとバカにしました。少ないのは事実だけど、父は50歳。彼は30歳。これって普通でしょ？　しかも私は、彼の収入に惹かれて結婚するわけじゃない。

私たち夫婦がマンションを購入するときには、父が「援助してやろう」と言ってくれました。うれしかった。でもその喜びはつかの間でした。なんと父は、資金援助をちょびっとすることと引き換えに、口出す権利を俺に与えろ、と言わんばかりの態度を取り始めました。めんどくさいので、援助を断りました。

機嫌を損ねた父は、私をいじめるようになりました。「お前には、遺産、何にも残してやらない！」とか、何かにつけて言いました。うん。別にいいけど、と思いました。

最近になって、７５歳になった父からこんなことを言われました。「俺を最後までちゃーんと介護した娘には、俺は、それなりのものを残してやるつもりだっっ！」。胸を張ってそう言っていました。

マンション購入時にもめて、遺産はやらない宣告を受けている私にも、その権利があるのだそうです。ただし、最後まで父の介護をしたら、という条件つきで。

しません。絶対に。哀れな父だなと思います。お金で人をコントロールすることしか知らない父。愛情とか、信頼とか、そういうものでふたりの娘とつながることを知らない父。75年も生きてきて、この人は、人生から何を学んできたのだろうか・・。空っぽ過ぎて笑うしかない。

高度経済成長と、バブル景気。日本中が「お金」に沸いていたふたつのいい時代を、生きてきた父。「お金のことばっかり毎日考えて、それより大事なことがあることに、気づく暇なかったんだろうな」。呆れます。でもそれは、私の父だけでなく、父と同じ世代の人たちの多くが抱えている問題なのかも。そして、そんな「老害」に悩まされる私は、とんだ「負の遺産」を背負わされているんだな、と思います。

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