くどい父親。娘への影響とその末路 (2)

くどい父親。娘への影響とその末路 (2)

父は、その話を親戚にもしました。次の夏休みにおじいちゃんの家に行ったときにもその話をされたので、半年後にも、私はまたその一件を思い出し、恥ずかしい気分になり、後悔し、罪悪感を抱きました。 ...

我が家では、そんなことがしょっちゅうでした。私が何かしでかすたびに、父はそれをくどくどと言います。そしてそれは、私の人格形成にも最悪の影響を及ぼしました。

私は、「自分が誰かに迷惑をかけているような気がする」といった生きづらさに、ずっと苛まれてきました。幼い頃から、大人になった今でも。自分の存在に、罪悪感を感じます。また、過去の失敗とか恥ずかしかったことを、繰り返し思い出し、ポジティブになれないところもありました。

それが、父のせいだと明確に思えたのは、最近のことです。

最近、父と会いました。父や母が年を取ってきたのに、実家に顔をあまり出さない私に父はキレ、帰ってこい!とお達しがありました。実家で説教されました。くどくどと。

「お前は昔からそうだ」と、私のいけないところを、これでもか、というくらいに並べ立てられました。くど過ぎなくらいに。なんと父は、私が結婚した26年も前のことまで言い出しました。「お前は、結婚するとき、お父さん、今まで育ててくれてありがとう、とか言わなかったよな」と。

「お前に俺の車を貸したとき、汚して返してきたよな。俺は、洗車に行かなくちゃいけなくなった」。事実かもしれない・・と思いました。「ごめんね」と言いました。でも、それってくど過ぎない? 20年も前の話だし。

そんな話が永遠続くので、気が狂いそうになってしまいました。そして思いました。「父は、昔からこんな感じだったよな。私、子供の頃、よく気が狂わなかったな。こんな父親の元で、私、まっとうに育った方なんじゃないのかな」と思いました。

毒親に育てられた人や、虐待を受けてきた人のことを、「サバイバー」と呼ぶのだと聞いたことがあります。その意味がよく分かった気がしました。あの父親から、くどくどと、言われたくないようなことを言われ続け、いつ気が狂ってもおかしくないような環境だったのに、それなりに今生きている。よく生き延びたな、と思います。

しかし恐ろしいのは、子供の頃は、そんな父を「くど過ぎだ」とは思っていなかったこと。いろいろな経験をし、いろいろな人と接してきた今の私だから、自分の父親が「ありえないくらいくどい」「こんなにくどい人、見たことない」というくらいのレベルの人だとわかる。「自分の親がちょっとオカシイとは、子供は気づけないよな。弱い立場だよな」とつくづく思います。

私はその夜、ベットの中で、「これまで、よく頑張ってきたね」と言いました。寝ちゃいけない・・と思っていたのに、つい寝ちゃったまだあどけない幼い自分に。ちょっと癒された気がしました。


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