家族をストレスのはけ口にする父親 (2)

家族をストレスのはけ口にする父親 (2)

そんな両親を見て育った私は、かなり勘違いな人間でした。外ではうんといい人のフリをするべきだと思っていました。そして家庭とは、外で溜めたストレスを発散させる場所だと思っていました。家族とは、ほかの家族のストレスのはけ口になっていい存在なのだと思っていました。 ...

だからだと思います。私も、外面のいい人間でした。先生や友達に対して、自分が「いい人」「いい子」であるように常に心がけました。人にいい顔ばかりし、言いたいことも言えない毎日。私は、本音を誰にも言わないので、友達ができませんでした。できてもすぐ仲たがいしました。そして私も、そのストレスを家に帰って母にぶちまけました。

母も、それが自分の役割であるかのように、毎日だまって聞いてくれていました。おそらく母は、こう思っていたと思います。「家でストレスを発散させることで、学校でイイコでいてくれるなら、それでいいわ」。

私は結婚したのだけれど、あやうく離婚されそうになりました。付き合っているときには、彼にいい顔ばかりしていた私。家族になった途端に、豹変したと彼の目には映ったようです。それもそのはずです。私は、家族を自分のストレス発散の「道具」にしていいと思っていたのだから。

夫に、自分の生い立ちを話しました。そして聞きました。「あなたは、どうしてそうならないの?」と。夫は言いました。「外で、人にいい顔しようと思わないから。思ったことはその場で相手に言ったらいい。その場で言うから、そこでおしまい。あなたは、そこで言わないから、家に持って帰っちゃうんじゃない?」と。

そのとおりだな、とは思ったけれど、思ったことを人に言ったことのない私。それができるようになるまでに10年かかりました。

実家に帰ると、相変わらず父は、職場であったことをグチグチ言い、母がだまってうなずきながら聞いています。「その場で言えばいいのに。そしたら、ストレスたまらないのに」・・あるとき、自然とそう思っている自分がいて驚きました。「私、いつの間にか、ちゃんと変われてたんだな」と。

まだ実家にいる弟は、引きこもりのようになっています。父の愚痴を毎日聞かされ、うんざりしているようです。ウチの両親は、もうそろそろ気づいた方がいいんじゃないかな、と思う。外であったことを、家に持ち込んで、家族を不快させるのは、自分の家庭を大切にしている人の態度ではないということを。

それを言ってもわかるような相手じゃないしな・・と思うと、弟を救ってやれない自分が無力に感じられるけれど、大人になると、ましてや相手が親じゃ、本当のことほど言いにくかったりする。弟は、とにかく家から脱出したいと思っているようです。自分に何かできることがあれば協力したいと思う。あの父親と同居し続けるのは、耐えられないことだろうなと、私も思うから。


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