お金のことしか頭にない母親。子供への影響とその末路 (2)

母には趣味がない。まぁ、株とお金が趣味と言えば趣味なんだけど。集めると言ったら、宝石とかゴールドとか、財産価値のあるものばかり。財産価値はないけれど、これが自分の好きなもの、みたいな感覚がない。だから、母の話は聞いててつまらない。 ...

子育ても。私は習い事さえ、好きなことをさせてもらえませんでした。価値のあるもの。将来性のあるもの。それ以外はすべて却下されました。だから母とは、将来の夢みたいなそういう話ができない。

母は過去に一度だけ、離婚したいと言ったことがあります。父が定年し、家にいるようになったとき、母は、父に１日中家にいられるのが嫌になったようでした。「別れれば？」と私は言いました。財産分与すれば、小さなマンションくらい借りられる。自由になれば？と思いました。でも、母は即効答えました。「嫌よ。何のために、今まで我慢してきたのよ」。

父と結婚したのも、お金が目当てだったんだろうな、とそのとき確信しました。お金だけ、とは言わないけれど、母はたぶん、父がお金持ちじゃなかったら結婚してないと思う。

そんな私は、ごくごく普通のサラリーマンの人と結婚し、生まれ育った土地を離れました。普通の暮らし。共働きで、マイホームのローンとかかかえちゃって、節電、節水！　風呂の残り湯使って洗濯しちゃたりするような、ごくごく普通の生活。

それが幸せだと思う私と、あの母親。価値観が合うはずがない。私は自然と実家から足が遠のいていました。でも・・７年ぶりに親に会ってみようかと思いました。両親も年だし、介護とかどうすればいいのかな、とも思ったし。

しかし年を取った母は、さらにお金への執着がひどくなっていました。

「遊びに行っていいかな」と実家に顔を出したい旨、電話で伝えたら母は言いました。「なによ、今さら。お金でも借りたいの？」。唖然としました。「体も不自由なところあるって言ってたから・・」と言ったら、なんと「遺産の営業活動？」と言われました。

もはや私は、母の「敵」のようでした。「自分の財産をおびやかす存在」。心外以外の何物でもありません。財産はあるだろうけど・・それで幸せなの？　大いに疑問だ、と思いました。

母は、人生を楽しむことを知らないのだと思います。お金だけ。自分の趣味の世界とか、財産価値とか関係なく「これが好き」みたいなものがあれば、年をとっても、もっと心豊かにいられるんだろうな、と思いました。「お金が好きってだけじゃ、人生豊かにならないんだな・・」。道理で孤独な女の子だったワケだ、と思いました。

お嬢様だとかなんとか言われて、みーんな私のこと、わかってくれなかったけど、私はやっぱり自分の道を信じて生きてきてよかったな、と思う。ローン抱えてギリギリの毎日でも、明るい家族の笑顔。誕生日や結婚記念日の、ささやかながらの外食。実家には、もう顔を出すことないかもな。だって顔を出したら「お金目当て」って思われちゃうんでしょ？　そんなの嫌だな。心が寂しくなっちゃうもん。

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