【世間体】子供に挨拶を強要する毒親 (2)

その出来事は、親から見捨てられるような恐怖を伴う出来事として、私の中に刷り込まれました。私は、毎日毎日大きな声で「おはようございます！」「こんにちは！」少しでも顔見知りの人なら、必ず自分から挨拶する人間に成長し、「気持ちのいいお嬢さんね」「明るくていい子ね」・・そんな学校やご近所の評判に、母は鼻高々だったに違いありません。 ...

しかし私は今、まるで「挨拶不安症」。近所の人の目が気になって仕方がない、自分の挨拶が十分かどうか不安で仕方がないのです。外に出ると、母に言われてきたとおりの挨拶のしっかりできるいいお嬢さん・・・今はおばさん、でなければならない、そのことで頭と心がいっぱいになる。上手くできているだろうか、と緊張を強いられ、疲れてしまう・・。

その原点が、どうやらあの「お豆腐屋さん」にあったようなのです。私がお豆腐屋さんに挨拶しなかったのは、滞在中、知らない大人が次から次へとやってきて、「挨拶しなさい」と言われ、「こんにちは」と言い続け、「もう言いたくない・・」と食傷ぎみだったから。

冷静にあのときのことを思い起こし、改めて思いました。「あの時、どうして挨拶しなかったの？って誰も聞いてくれなかったよなぁ。誰も私の味方してくれなくて、さびしかったんだよなぁ・・」。それなら、あのときの私が両親からかけて欲しかった言葉を、今の私が、あの時のまだ小さかった私にかけてやろう！と思いました。「大丈夫。うまく挨拶できなかったからって、誰もあなたをダメな子と決めつけたりしないよ。今度はできるといいね！」。私のトラウマは、やっといい思い出に変わりました。

私は今、前より自然に人と挨拶が交わせるようになりました。「せっかくなら挨拶は、気持ちよくしたいな。挨拶しないとダメな人って思われちゃうから、なんて理由でするのはやめよう」・・自分のスタンスが決まり、うつもよくなってきました。

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