マザコン！娘を母親と比べ続けた父親の末路

大人になって発症した鬱病。その原因は生い立ち。子供の頃の家庭環境だった！

父から、母と比べられて育ちました。 ...

父は、母をよく誉める人でした。「お母さんの作るご飯は美味しいなぁ。お前には無理だろう」。父は毎晩のように私にそう言い、無理やり同意させられました。母は実際、とても料理の上手い人でした。

父は、母の買ってきたものは何でも喜びました。「お母さんはさすがだな。お前もそう思うだろう？」。私にそう言いました。私も父の日などに、贈り物をすることがありましたが、喜んでもらった記憶がない。いつでもその場で片づけられてしまうか、鼻で笑われるか。「お母さんのように、お父さんの好きなものを把握できていない私がいけないんだな」と自分を責めることで、失望感や恥かしさを無意識下に仕舞い込むようになりました。

大学を卒業したとき、父から言われたのは「おめでとう」ではありませんでした。「大学を卒業したからって調子に乗るな。本当に学のある人間というのは、お母さんのような人だぞ」。母は、実際すごい人でした。実家が貧しく、家族を養うため、義務教育を終えるとすぐ働きに出た人でしたが、私を育てる傍ら始めた習い事で、賞や資格を取るような人でした。

自分を認めてくれない父に不満がなかったわけじゃない。でも母にそれを言えば「お父さんは、ああ見えて優しい人なのよ」と、父をかばうような言葉が返ってくる。父を悪く言うのは、母に悪いような気がして、それを口にすることもなくなり、そしていつしか、父を優しい人だと感じられない自分は、冷たい人間なのかもしれない、と思い悩むようにました。

年月は経ち、４０才も半ばを超えたある日、私は突然壊れました。強い虚無感と倦怠感。生きているのも辛いようなうつ状態でした。何がきっかけだったのか・・久しぶりに実家に帰った日のことでした。

その日、私はひとり実家に帰っていました。その帰省は、大学進学のためひとり暮らしを始めた私の息子の報告を兼ねていました。母の作った夕食を、３人で食べていたとき、父がいつものように言いました。「お母さんの作った料理は、美味しいよなぁ、な？お前じゃ、こうはいかないだろう」。 [...]

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