発達障害の仲良し夫婦 (2)

思い出されるのは、大学生のときのこと。エロいイタズラ電話がかかってきたのですが、私はそれをイタズラ電話であると最後まで気づきませんでした。「俺だよ、俺」の声に「え？どなたですか？高校のとき？サークルの先輩ですか？・・ごめんなさい、本当に思い出せなくて・・」と。途中「あの夜に・・」みたいな身に覚えのないことまで言われているのに、最後まで「思い出せなくてごめんなさい」。相手の方からガチャンと電話を切られ、やっと「ひょっとしてイタズラ電話？」と気づきました。 ...

人から「ピュアな人だ」と言われます。聞こえはいいけれど、「私ってバカなのか？！」と落ち込んだり、「騙されてたのか？！」と後になって気が付いて、「今さら？」というようなタイミングで怒っていたりすることがしょっちゅうあります。でも、私は人を騙したり嘘をついたりしません。自分が人に対して誠実である分だけ、人もそうであるに違いない、と思い込んでいるところがあり、純粋だと言えば純粋なのかもしれないし、敏感なようでいて鈍感なのかもしれません。

そんな私も、配偶者に恵まれてラッキーでした。アスペルガー傾向のある夫は、私同様、嘘のつけないとてもとても誠実な人です。世間から見たら「空気の読めない人」ということになるのかもしれませんが、私もそうなので違和感ありません（笑）。私たち夫婦から見たら、世間の人々は「ちょっとズルくて薄情な人たち」。感覚がよく似ているので、誰よりも気が合い、信頼でき、一緒にいて安心できる人だと感じられるのかな、と思います。

ＡＤＨＤの私は、周囲の人たちと極端に違っているところがあまりにも多く、今後も友達を作るとか、増やすとか、そういうことは望めないだろうと思います。でも世の中にひとりかふたり、それが親であっても、きょうだいであっても、友達であっても、親戚であっても、配偶者でもあっても・・誰かと、ほんの一時期でも親しくなれた経験があれば、それで十分なんじゃないかな、と思うようになりました。そして、誰しも人は、ひとりで生まれ、ひとりで死んでいく・・。生まれて初めて「誰かと仲良くなった」という実感を得られた夫と、楽しい思い出をたくさん作って、「いい人生だった！」と最期に笑いたいと思います。

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