「同じこと何度も言わせないで」と言う毒親 (2)

学校でも会社でも「飲み込みの早い優秀な人」という評価を得ます。でも本当は違う。「わからないです」「この前のことなんだけど、もう一度教えてくれる？」そんなことさえ言えないコミュニケーション能力の低い人間。わかったようなふりをしてしているだけ。 ...

私が読んだ子育ての本に、こんなことが書いてありました。「日々成長する子供にとって、同じ疑問も、昨日の疑問と今日の疑問には違う意味を持つことがある。だから親は、何度でもそれに答えてあげてください」。

ハッとしました。私は「同じこと２度言わせないで」と母が怖い顔するたびに、「同じことを２度言われるのは、私がダメな子だからだ」と自分を責めていました。「お母さんはこんな私をもう好きじゃないかもしれない」と孤独や絶望を感じていました。少しのミスも許されないような威圧感の中で、それでも母から愛されたいと、必死で言いたいこともやりたいことも自分の中に押し殺し、萎縮していたと思います。

「同じこと何度も言わせないで」は、親がラクしたいだけのセリフ・・。自分の親は『毒親』だったんだ、と気づいた瞬間でした。

それから何年間は、親を恨む気持ちが自分の中を駆け巡り辛い日々でした。精神的に不安定になり、原因不明の頭痛や下痢にも襲われました。でも、気持ちの整理もついた今、過去の失敗を振り返り反省ばかりしていることが少なくなり、生きることが楽しくなりました。

子供とは、何度も同じ失敗を繰り返し、何度でも同じ質問をしたがるものだなと思います。それでも、わかるまで、納得するまで、何度でも教えているうちに、同じ失敗をしなくなる。「自分がしてもらえなかったことは、誰かにしてあげよう」・・これが今の私の心の支え。この世に無駄なことなど何もない、これでよかったんだとやっと思えるようになりました。

参考
*1: Brooks Robert Goldstein Sam 『Raising Resilient Children: Fostering Strength』

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