子供が欲しくないと思わせる毒親 (2)

私には、子供を育てる未来の自分の姿をイメージすることが、若い頃からどうしてもできませんでした。それを考えると「生まれてくる子供がかわそうだ」という思いしか湧き上がらない。でも当時の私には、なぜ生まれてくる子供がかわいそうなのかはわかっていませんでした。 ...

それが明確になったのは、自分の親がいわゆる『毒親』だったと知ってからのことです。

私は、自分の子供があの父と母の血を引くのかと思ったら気の毒で、子供を作る気にならなかったのです。「こんな血、私で根絶やしにするのがいい。それが人類のためだ」。「子供を産まないこと。それが出会うことのない我が子への私の誠意だ」。真剣にそう思っています。

幸か不幸か、そうとは知らず結婚した夫も毒親育ちでした。夫も同じように子供を望みませんでした。似たような過去と、心の傷を抱え、多くは語らずともわかりあえる仲。私と夫、そして愛猫。「血のつながり」に意味を感じない私たちには、血のつながっていないもの同士で育む愛こそが信じられる唯一のものなのだと思います。

幸せな家庭で育ってきた人は、自然と子供のいる家庭を作りたいと望むものなんだろうな、とつくづく思います。もし、別の親の元に生まれていたら、私は全く別の人生を歩んだでしょう。会うたびに、ネガティブなことばかり言う母親や、人の気持ちを踏みにじるようなことを平気で言ったりやったりしてひとりヘラヘラしている父親に会いに行くたびに、具合が悪くなり、怒りがこみあげ、「どうしてこんな親を持っちゃったんだろう」と生きているのが嫌になります。

それでも『毒親』というキーワードによって、私は親から少し解放されました。スタートから躓いている私の人生。でもこれが私の人生。いい親に恵まれ、汚れのない人生を送ることだけが人生ではないということを知りました。私は私の運命に従って、ベストを尽くして生きていこうと決めました。

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