夫婦仲の悪い毒親。そんな家庭で育った子供の末路

私には優しくても、父には厳しい母でした。 ...

父は酒飲みでした。週に何度も行きつけの店に行ってはお酒を飲み、酔っぱらって帰ってきました。一方母は、真面目でとても几帳面な人でした。母は、酔って帰ってくる父をいつも叱りました。

「また飲んだの？」
「今夜は飲まないって言ってたでしょ」
「飲まないと約束した日くらい我慢しなさい」
「こんな風になるのは、お酒強くない証拠なのよ」
「限度を守って飲みなさい」

母は、父の行動を厳しく律しました。酔って帰ってきた翌日は、父と一切口をきかないという「おしおき」が待っていました。カレンダーには父が飲んで帰って来た日に、×印がつき、帰宅時間が記入されました。そしてそれは、家族みんなが目につく位置にいつも貼られていました。

父は、酒飲みだったけでなく、仕事もできる人ではなく、いわゆる「うだつの上がらない男」だったと思います。ダメな夫と、しっかり者の妻。周囲の人は、ダメな夫を支える妻として、母を褒めそやしました。「あの家は奥さんでもっているようなものだ」。母もまんざらでもないようでした。

母は私たち子供には優しい人でした。真面目でよく気がつく母。いつも正しい母。料理もうまくて、仕事もできて、何をやっても上手な母・・。

それが本当に正しかったのか。母は本当にいい母親だったのか。

結婚して家を出て数年経った時のことでした。私は、前日の会社の忘年会で飲み過ぎて、二日酔いで倒れていました。夫が私を看病しながらこう言いました。「そんなに飲んで～。体壊しても知らないぞー！」。冗談交じりに、私を心配して言ってくれた言葉でした。しかし、私はその言葉で、激しく落ち込んでしまいました。全身の力が抜けていくのがわかりました。まるで人格否定されたかのような気分でした。

「あなたからだけは、そんな風に言われたくなかったのに・・」 [...]

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