完璧主義な妻 (2)

「私は、典型的な完璧主義者だったと思います」。と語るこの人は、しつけに厳しい家庭に育ちました。 ...

「１度言われたことは、次からちゃんとしないと、さらに叱られました。ちゃんとしなくちゃ・・という気持ちでいつもいっぱい」。この人は子供の頃から、かなりの完璧主義だったそうです。

この人は語ります。「完璧じゃないと、親から嫌われる、みんなから嫌われる、私に価値はない、そう思い込んでいました」。

結婚してもそれは続いたと言います。「いい妻でないと愛されない、と思っていました。だから何でも完璧にこなしていないと不安になるんです。カレに捨てられるかもって」。

少しでも完璧でない部分があるとイライラし、夫にも完璧を求めたと言います。「救いは、夫が全く完璧主義でないことでした。夫はいつも自然体。自分のことも、私に対しても。私が完璧じゃなくても平気・・むしろ、家でダラーっとリラックスして欲しいと思ってたみたいです」。ひとり勝手に完璧主義を貫こうとし、ひとりカリカリしてた、とこの人は笑います。

「完璧主義者は、みな生きづらさを感じてる。それをやめればラクになるとわかってても、なかなかやめられない。それ以外の生き方を知らないから。完璧をやめるのが怖いんです」。夫のおかげだと、この人は言います。「今日はもう、お弁当買ってきて家で食べようよ、とか、洗濯明日にしない？とか、完璧をやめるきっかけを作ってくれました」。

「完璧主義の人って、完璧主義を完璧にこなそうとしちゃうんですよね。自分ひとりではなかなかやめられないから、人にきっかけを作ってもらうのも大事だなと思うんです」。

この人もそうでした。「夫に言われて、手を抜いてみて。あぁそれでいいのか、手抜きしたって何の問題も起きないのかって気づいたときの、すべての緊張感から解き放たれたような感覚を、私は一生忘れないと思います」。

今は逆にかなりルーズだそうです。「これまでの反動か、手抜きしまくりです（笑）。でも夫への感謝や思いやりだけは、いつも持っていたいです。大事なことはそれだけ。そう思ってます」。

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