娘の話を聞かない毒父の対処法 (2)
父は、兄の話は聞くのに、私の話は聞きませんでした。兄は、3歳違い。私が父に何か言っても、それを信用してくれず、兄に聞き直したりしました。兄が同じことを答えると、初めて納得したような顔をします。 ...
父は、兄と話をしているときにはとても楽しそうでした。兄がどんなに生意気なことを言っても、「たのもしいな、お前は」などと言ってニコニコ笑ってるのに、私には違いました。私が、自分の考えを主張しようものなら、悲惨なことになります。そんなとき、父は、私によくこう言いました。「女のくせに」。そして、ひどく不機嫌そうな顔で、テレビに向き直り、私を無視したりしました。
「女のくせに」・・父は、母にはそれを決して言いませんでした。だから私は余計に混乱したし、傷ついたのだと思います。私は、ずっと思ってきました。「お兄ちゃんやお母さんは、お父さんからこんな風に言われないのに、どうして私だけ?」。
今思えば、父は、気の強い母に、むしろ頭があがらなかったのだと思います。そしてそのストレスが、私に向けられていたのかも。でも子供だった私に、そんなことわかるはずありません。私は、ひたすら自分を責めてきました。「私に悪いところがあるんだ」「お父さんは、私のことが嫌いなんだ」「自分が気づかないだけで、私は、間違ったことばかり言ってるのかも」「自分はお父さんからそう言われて、当然の人間なんだ」・・。私は実際、父から言い方についてもよく批判されました。「生意気だ」とよく言われました。「お前の言い方は、人を傷つける」とも。
私は、何も言えなくなってしまいました。私など、口を開けば人を不快にさせるばかり。どうせ誰も信用してくれないし、間違ったことばかり言っているに違いない・・。そう思い込んでいきました。
そんな私は、ずっと自分に自信が持てずにいました。私には、自分の考えや思っていることがたくさんあったのだけれど、それを一切、人に言わなくなりました。母に言われたことがあります。「あなたは、自分の殻にこもっている。それはよくないよ」と。
「私にだって、言いたいことがたくさんある! 言えないだけなのに!!」。そう叫びたい気持ちだったことをよく覚えています。でも、母にも言えませんでした。
私が変わったのは、彼氏ができてからです。私は誰にも心を開けないようなところがあったのだけれど、彼には何でもしゃべれました。彼との結婚を意識し始めたとき、親の話をしないわけにはいかないな、と思い、彼に言いました。「ウチの両親は、兄の話しか聞かないところがある。○○くん(彼氏)のことも、バカにしたりするかもしれない。嫌な思いをさせないかと心配してる」と。
「僕のことはいいけど・・」と、彼は自分のことより、私のことを心配してくれました。自分の生い立ちを話しました。驚いていました。「ありえない!」と言われて、初めて気づきました。私はずっと、親に話を聞いてもらえないのは、自分のせいだと思ってきました。「自分は、何も悪くなかったのかもしれない。そう思い込まされてきただけのかもしれない」と思いました。
私は結婚し、自分を取り戻しつつあります。実家には、結婚後、一度も帰っていません。彼が親としゃべってる姿を見ていると、普通の家庭ってこんな雰囲気なんだなと思います。心がなごみます。彼のお父さんやお母さんと、私も、うまく話ができるようになってきました。お義父さんもお義母さんも、私に優しくしてくれます。そういう人となら、私も話ができるんだな、と思いました。
結婚し、自分が育った家庭以外の家庭の雰囲気に初めてふれ、実家がいかにヘンだったのかわかりました。父が私にとった態度のさまざまを思い出すと、今でも胸が苦しくなるけれど、私はもう「自分に悪いところがあったのかも」と自分を責めるのはやめました。とてつもなく意地悪な人間に関わっちゃっただけ。不運だっただけ・・そう思うことにしています。
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