横柄な態度の親。子供への影響 (2)

父は、いつでも周囲から浮いていました。 ...

父は横柄な人でした。私は、幼い頃から父に違和感を感じていました。「横柄」という言葉を知る前からずっと。あんなこと言ったら、誰もお父さんと仲良くしたいと思わないじゃないかな、と思っていました。

父は、私にはそれほど横柄ではありませんでした。それならそれでいいじゃない、と人は言うかもしれません。しかし私は、確実にその被害を被っていました。

父は、５人きょうだいの三男だったのだけれど、おじさんやおばさんたちはみな、横柄ではなくいい人でした。私は、おじさんやおばさんのことが好きでした。でも、父の横柄さは、ときが経つにつれ増し、みな父を避けるようになり、そして私のことも、遠ざけるようになりました。

寂しかった。すごく寂しかった。いとこたちは、みんなで仲良くしてたのに、私だけいつもポツンとしていました。

そして私は、友達もできませんでした。私は、父が他人に接するときの横柄な態度を見て育ってきているので、父のようにはなりたくないと思う気持ちが強かったと思います。私は、表面的には、腰の低い謙虚な人でした。でも、考え方がどこか横柄でした。

友達を見下していたと思います。人と人とが対等につながる、という感覚がわかりませんでした。人との距離感も。困っている人がいたら助けてあげたりするのだけれど、どこからどこまでが親切で、どこから先が大きなお世話なのか、その加減がわかりませんでした。そして、感謝されないと、頭にきたりしました。横柄だったと思います。

父は父で、私のことをかわいがってくれていたのだと思います。だから、私にはさほど横柄ではなかった。でも、それでは不十分だったのだと思います。子供は、親と他者との関係からもいろいろなことを学んでいるもの。そのことについての配慮が、父には足りませんでした。

いい父親になりたいと思っていたのなら、まずはいい人間になることを目指して欲しかった。「育児は育自」などと言われることがあるようだけれど、あたってるな、と思いました。

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