子供に見返りを求める親が原因のうつ (2)

この人の母親は、「子供がすべて」の人でした。この人は言います。「母は、私のために何でもしてくれました。いい母親だと思っていました」。そんな母親が、本性を現したのは、結婚後のことでした。 ...

母は「私は、私の夫や夫の実家を悪く言いました。彼をかばえばかばうほど、あなたは変わってしまった、とまるで私を裏切り者のように言いました」。自分の家庭を大切にしながら、母親にも気を遣い続けた日々。１０年が経ち、この人はとうとう鬱になってしまいました。

きっかけは、親戚に言われた一言でした。「娘を取られたって、お母さん泣いてたわよ。もっとお母さんのこと、大事にしてあげないと」。何人もの人に言われたそうです。「私は、親不孝者だってことになってるのか、とショックでした。愛する人と結婚し家庭を築く・・私にはそれが許されないのか？　疲れ果ててしまいました」。

この人のうつは、今ではすっかりよくなっています。「母は、私に見返りを求めたんだと思います。こんなに尽くしてあげたんだから、あなたも私に尽くしなさいよ、と。まるで、親切を装って自分だけ得しようとしてる人・・です。愛されていると思っていた子供時代のことも、すべて嘘に感じられて、私はどん底まで落ちました」。

この人も、今は元気になりました。「母の方が間違ってる、と思えるようになるまでに２年かかりました。でも、そこから私のうつは嘘のようによくなったんです。母は信用できません。泣いてもわめいても、周囲の人がどんなに私を非難しても、私はもうあの人とは関わらない。最近やっと、生きててよかった、と思えるようになりました」。

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