自分のことを棚にあげて子供を叱る母親が原因の鬱 (2)

友達をたくさん作りなさい、ともよく言われたそうです。理由は、この母親に友達がいないから。「私みたいに寂しい人になっちゃダメ。母はよくそう言っていました。そしてそれが私の重荷でした」。 ...

友達とうまくいかなくなると、「お母さんを悲しませる」と不安になったと言います。「私は、嫌いな子とも必死に仲良くなろうとしました。母を喜ばせたくて。母のようになりたくなくて。結果、私には、本当の友達ができませんでした」。

この人が鬱を発症したのは、大人になってからだと言います。「ふとしたときに、母と似てるな、とどうしても思ってしまうんです。するととてつもなく落ち込みます。自分をリセットして、最初からやり直さないとダメな気がしました。死にたくなってしまいました」。

こういう親のことを「毒親」というのだと知り、この人は救われたと言います。「母のようになってはダメだ。母のようになったら、私の人生は失敗なんだ、と私は思い込まされてきたと思います」。

「私のようにならないで」という親の発言は、とても残酷です。一緒に暮らしていれば、どんな親子も似てきます。それに絶望してしまうのですから。「母はまず自分を変える努力をするべきでした。それをしないで、子供に自分の理想を押し付けるのは無責任だと思います」。それに気づき、この人の鬱は、快方に向かい始めました。

「自分と親は別人格、とやっと思えるようになりました。母と似てようが、似てまいが関係ない。私は母とは別の、自分の人生を築いていきたい。今はそれだけを考えるようにしています」。

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