「感情が希薄」は親の責任です (2)
「母は教育熱心な人でした。母は、勉強のできない子や学歴の低い人をバカにしていました。私は、本当は勉強嫌いだったと思います。でも、自分は勉強が好きだ、と公言していました」。 ...
この人は言います。大学を卒業するまでの22年間、自分は無理をし続けていた、と。勉強したくない!と1度でも言えていたら、どんなに気持ちがラクだっただろうか、と。「しかし、それを口に出せば、自分の居場所がなくなってしまう・・そんな家庭でした」。
この生い立ちが、大人になったこの人に重くのしかかったと言います。「私には、好きとか嫌いとか、やりたいとか、やりたくないとか、楽しいとか、楽しくないとか・・自分がどう感じているのかが全くわからないです」。同僚に食事に誘われる・・行きたいのか行きたくないのかがわからない。「プロポーズされたことがあったんですけど、私には結局、相手の人が好きなのか、嫌いなのかわかりませんでした」。
何を考えているのかわからない、とよく言われたそうです。「私は、どう感じるべきかを頭でばかり考えて、気持ちのままにいる、ということができなかったと思います」。
この人は、自分の生い立ちの人を毒親育ちというのだと知り、自分を変えたいと思ったそうです。「何かを食べたら、美味しいのか美味しくないのか、好きなのか嫌いなのか、はっきりさせようと思いました。美味しいか美味しくないかくらい、自分で自由に感じていいことだ、と思ったんです」。
愕然としたと言います。「これを不味いって思ったら、作ってくれた人に悪いかな、とかそんなことばかり頭に浮かんで、自分の気持ちがわからないんです。自分でも重症だな、と思いました」。
この人は言います。自分に正直になれないことが、こんなに人を病ませるものだとは知らなかった、と。作ってくれた人に、美味しくない、と言う必要はないかもしれません。しかし、無理して美味しいと自分に思い込ませる必要はないのです。それに気づいてこの人は変わりました。
この人は言います。「私は、進学する学校も就職先も母に勝手に決められちゃったけど、それだけじゃなかったんだな、とつくづく思います。誰にも侵害できない、侵害できるはずもない『感情』まで母に乗っ取られていました」。気づくのが遅すぎた、と絶望的な気持ちになったこともあったと言います。
「それも私の人生の一部だと、やっと思えるようになりました。遅すぎるってことは、どんなことにもないと信じています。今までやりたくてもできなかったことを、これからやってみようかなって思ってるんです」。
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