子供を粗末に扱う親 子供をACにする家庭の実態 (2)
「私は両親から粗末に扱われてきました」。そう語るACの人がいます。 ...
「父も母も、姉のことが大好きでした」。この人は、3歳年上のお姉さんときょうだい差別を受けて育ってきたと言います。「姉は、確かに頭もいいし、性格も明るく話もおもしろい。私は、どこをとっても姉にはかなわないんです。私はずっと、姉ほど大切にされなくて当然だと思っていました」。
口数も少なく、おとなしい性格だったというこの人。「父も母も、何かにつけ姉の名を呼びました。手伝って欲しいことがあるときにも、呼ばれるのは姉。話をしていても、両親が聞きたがるのは姉の話。私とは目も合わせてくれません」。
大学、就職、結婚と順調な人生を歩んだお姉さんに引き換え、この人の人生は、思春期以降、まるで時が止まってしまったかのように、何もかも進まなくなってしまったと言います。「高校を卒業した後の進路が決まらず、親に促され働きに出ては辞め・・を繰り返しました。友達もいません。友達の結婚式に呼ばれるとか、そういうこと1度もないまま、私は今40歳です」。
この人は、35歳のときに、生きづらさに耐え兼ね、診療内科へ行ったそうです。そして「アダルトチルドレン」という言葉に出会います。「自分は典型的なアダルトチルドレン、ロストワンだと思います」。ロストワン(=いない子)とは、親からいないも同然の扱いを受け、自分に自信が持てないまま大人になってしまったACの人。
カウンセリングに通うこと5年。ACから回復しつつある今、もうひとつの事実に気づき愕然としたと言います。「姉もアダルトチルドレンでした。あんなに優秀で、親から愛されていた姉がなぜ?と思いました。でも姉は言うんです。親から見放されるのが怖くて『優秀な長女』を演じ続けてしまった、と」。
次女を無視し続けた親の態度は、「子供を粗末にしている」以外の何ものでもないでしょう。でもこの人は言います。「私の両親は、姉のことも粗末に扱っていたと思います。『どこに出しても恥ずかしくない娘』でいるように子供に強要するなんて、親のエゴだと思います」。
この人は、おとなしい性格だったとは思えないくらい、今は思ったことをはっきり言います。「自分を出していいんだと思えるようになったんです。新しい自分になった気分です」。そして過去を振り返り、ニッコリ笑って最後にこう言いました。「自分は親から、されるべきではないことをされ、言われるべきではないことを言われてきたと思います。粗末に扱われてきた自分に、よくがんばったね、って言ってあげたい気分です」。
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