娘をこきおろす毒親が原因のうつ病 (2)
「女のくせに、が口癖の父でした」。そう語るこの人の父親は、気に入らないことがあると、子供に言葉の暴力を浴びせ続け、止まらなかったと言います。 ...
「私は2歳年上の兄とふたりきょうだいです。子供の頃の私は、勝気な性格でした。兄に負けたくないと、何にでも挑みました」。お兄ちゃんが大好きだったというこの人。お兄さんも、何でも真似したがる妹に、いろいろ教えてくれたり、遊びの仲間に入れてくれたりしたと言います。
「今思えば、父はそれが気に入らなかったんだと思います」。父親は、まだ子供だったこの人に、何かにつけ難癖をつけました。「テストで点が悪かったとか、言い間違ったとか、勘違いしてたことがあったとか、攻撃の隙を与えると、父はすかさずそこを突いてきました」。しつこくからかったり、笑いものにしたり、親戚に言いふらしたり。言い間違っただけじゃない!などと言おうものなら、さらなる攻撃が待っていました。「父は、私に敵意をむき出しにしました。私が口を挟む暇がないくらい、あることないこと言って私をけなし続けました。私が泣き出すか、だまって自分の部屋に戻るまで」。
部屋で泣いていると、父親のこんな言葉が決まって聞こえてきたそうです。「女のくせに!」。同じ被害に合っていた母親も、この人を決して助けてくれなかったそうです。「父の言いなりになっている母を見ていると、自分の方が間違っているような気がしてならなくなりました」。
家庭での息苦しさに耐え兼ね、早くに家を出、結婚したというこの人。うつ病になったのは、その後でした。「父は、彼のこともこきおろしました。彼のいないところでそれを言われるのは、まだ耐えられました。言わせておこうって。でも彼に向って、ひどいことを言っている姿を見たときには、もう耐えられませんでした」。父親は、彼の性格、学歴、職業、出身地、実家の両親のこと・・こき下ろしたそうです。「私はその場でワーワー泣いてしまいました。泣きながら実家を後にし、ひたすら彼に謝りました」。
自分がこきおろされたとき以上にダメージを受けてしまった、と当時を振り返ってこの人は言います。その日を境に何年も、うつになってはよくなり・・を繰り返すようになりました。「父の言った言葉が忘れられず、突然胸が苦しくなり涙が止まらなくなるようなことが頻繁に起こりました。忘れようと思っても、自分より彼の方が傷つているに違いないと思ったら、忘れてはいけない気もしていました」。
病院へ行き、カウンセリングに通い、うつから回復したというこの人は今、娘を、そして、娘の愛する人をこきおろし、勝ち誇ったような顔をするあの父親のことをこう語ります。
「父には、強いコンプレックスがあったと思います。父は教員で、ほかの先生や生徒にバカにされていたようです。いえ、本人がそう思っていただけなのかも。それを恐れていただけなのかも。いずれにしても、とにかく父は、人からバカにされることを、ひどく恐れていたようでした」。
人からバカにされる前に、相手をこき下ろし、負かしてしまう・・言葉の暴力を振るう人の常套手段です。「父は、くだらない人です。気にするのもバカバカしいような」。そして、彼にはこう言ったそうです。「私は父とは違う。私は、あなたのことを、あんな風には全く思ってない。父に代わって私が、あなたに謝らないといけないような気がしてたけど、私が謝ることでもない。私が元気になることが、あなたにとっても一番いいことだと思うから、私はあの日のことを、もう忘れようと思う」。彼は、「当の僕は、とっくの昔に、何言われたか忘れちゃったけどね」と笑ったそうです。
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