毒親育ちの性格!「ひねくれてる」の原因 (2)

毒親育ちの性格!「ひねくれてる」の原因 (2)

親から「お前はひねくれてる」と非難されたことのある人は、「ひねくれてるのは親の方なんじゃないかな」と思ってみてください。そんな小さな気づきによって、生きづらさが解消されることは、珍しいことではありません。 ...

そしてここにも、そんな人がいます。

「おやじは自分が子供の頃から、僕をひねくれてる、と言い続けました」。甲信越地方の田園広がるある町に生まれたAさんはひとり息子。教師の父親と、会社員の母親に育てられました。

「父は、地元を愛し、人とのつながりを大事にしている人でした。父は、話好きで、宴会好き。僕にも、人の輪の中に入るように言いました。しかし、僕は、それがあまり好きではありませんでした」。

Aさんは言います。「大人びた子供だったと思います。僕は、そんな父や地元の人たちを、1歩も2歩も引いた目で見ていました。僕は、その輪の中にドップリ浸かってワイワイやるより、そんな人たちを観察していたように思います。だからだと思います。父に連れて行かれても、みんなとワイワイやらない僕の姿が、父にはひねくれてると映ったようです。次第に誘われても行かなくなりました。そして父は、ひねくれてる、と僕を何かにつけなじりました」。

ひねくれてる・・そうなのかな、と思ったこともあったそうです。その頃から父親とは、ほとんど口を聞かない仲。この土地は、僕には向かないみたいだ、と、大学進学と同時に東京へ出、就職したそうです。

Aさんは当時を振り返りこう言います。「ものごとを客観視する自分の性格は、別に悪い性格じゃない。父とは随分タイプが違うけれど、息子はそういうタイプなんだな、と思えば、僕は、ひねくれてると非難されずに済んだし、おやじともそこそこ話せる中になったかもな、と思います」。

最近、こんなことがあったそうです。「妻と一緒に実家に帰りました。やれ宴会があるとか、集会があるとか、お前も来い、と父はしりきに僕を誘いました。でも僕は、それには乗りませんでした。そんな僕を、父はひねくれてるひねくれてる・・と責め続け、妻の方が落ち込んでいました。だから彼女に言ったんです。大丈夫だよ、ぜんぜん気にしてないから、って。驚いてました。なんで?って」。

Aさんは、こう答えたそうです。「おやじがひねくれてる。そんなおやじが僕をひねくれてる、と言っているということは、僕はひねくれてない、ってことになる。だから気にしてない」。

「妻は噴出してました。話、ややこしいよ。話がねじれちゃってる。ひねくれちゃってる!と・・。笑っている妻を見て、思いました。ひねくれてるとか、ひねくれてないとか、ホント、どうでもいいな、と」。

Aさんは、笑顔で最後にこう語ってくれました。「僕のことを、ひねくれてると思う人はいるかもしれない。でもたとえば、ひねくれてるところもあるけど、おもしろいやつだ、とか、ひねくれてるところもあるけど、いいやつだとか、そんなんでも十分だと思うんです。こうあるべきだとか、性格直さなくちゃとか、気負わずに、自然体でいるのが一番なんじゃないかな、と思っているんです」。


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