【ac症状】「親のごまをすってしまう」の治し方 (2)

【ac症状】「親のごまをすってしまう」の治し方 (2)

「私は、子供の頃から、親のごまばかりすっていました」。こう語るこの人の父親は、強烈なキャラクターの持ち主だったと言います。「父は、某金融機関で、貸付の仕事をしていました。おそらく父は、お金を貸して欲しい人たちから、毎日ごまをすられていたんだと思います。家に帰ったら、取引先の人たち並みのごますりを、家族にも要求しました」。 ...

「父と話すときには、へーっとか、すご~いとか、さすがだねーとか、言わないといけないんです。仕事の接待とかで、そんな風に人から持ち上げられている父には、そういう反応が普通のようで、父のご機嫌を損ねると、大変でした」。そんなとき父親は、こう言ったそうです。「お前には何もしてやらない!!」。

「父は本当に、人が変わったように冷たくなるので心底怖かった。進学させてもらえないかもと、恐怖でした。ひょっとしたら父は、仕事でも『お前には金貸さない!』とか言ってたのかも。最低な人だと思います」。

そんな生い立ちのこの人は、「人と親しくなれない。なれた気がしない」ということに、子供の頃から悩んでいたそうです。「いつも不安で孤独なんです。私はあらゆる人に対してごますりでした。そうしていないと、自分が捨てられちゃいそうで怖かった。今思えば、私は、人と対等につながる、ということを知らない人間でした」。

この人が、生きづらさから解放されたきっかけは、「アダルトチルドレン」という言葉を知ってからでした。「私の家庭は、典型的な機能不全家庭でした。自分がずっと感じ続けていた不安や孤独の理由がやっとわかりました」。

この人は、親と距離を置くことで自分を取り戻し、ACから少しずつ回復していったと言います。「友達ってどうやって作るんだろう、と当時思っていました。いつもごまばかりすっている私には、人と仲良くなることの意味さえわかりませんでした」。友達や職場の同僚と話すとき、ちょっとした工夫をしたそうです。「へーとか、すごいとか、必要以上に大げさに相槌を打ったり、ほめちぎったりするのをやめました。最初は怖かったけれど、それをやめて、私から去っていく人は、私にごまをすってもらいたいだけの人だから、それならそれでいいや、と思うことにしました」。

実際、それをきっかけに、疎遠になった人もいたそうです。「ひとりだけ変わらなかった人がいたんです。その人に父の話をしました。ごますりな自分の性格が嫌なんだ、ということも。自分の話を聞いてもらえてうれしかった。ごまなんてすらなくても、人と会話できるんだな、と思ったし、こういう関係を友達っていうのかな、と思いました」。

父親の態度は間違っていた、と自信を持って言えるようになるまでに5年かかったと言います。「長い長い5年でした。でも、貴重な5年間でした。父は今でも、変わりません。会えば、ごまをすらなくなった私にイライラし、当たり散らされます。もう会うことはないかも。ちょっと父とは無理かな、と思っています」。


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