毒親育ち「親に感謝できない」の対処方法 (2)
「私たちきょうだいは、親に感謝しろ、と言われ続けてきました」。そう語るAさんは、会社員の両親と2歳年下の妹の4人家族でした。 ...
「両親共働きで、家は比較的裕福だったと思います。友達よりもいいものを持っていたり、いい服を着ていたりしたと思います」。そしていつも両親は、ふたりの娘にこう言っていたそうです。「親に感謝しないと、だぞ!」。
この人は、結婚するときに、「お父さん、お母さんありがとう」的なことを一切言わなかったそうです。「そのことが、ずっと引っかかっていました。どうして、それが言えないんだろうって。自分は、冷たい人間なのかも、とずっと思っていました」。
その謎を解いてくれたのは、妹さんだったと言います。「今でも実家にいる妹は、親にうんざりしている、実家から脱出したい。資金を貸してくれないかと親に言ったそうです。断られたと言っていました」。
断られた理由に絶句したと言います。「母は自信満々に、こう言ったそうです。私は、あなたたちふたりの娘を、何ひとつ差別することなく、平等に育ててきたの。お姉ちゃん(私)にしていない資金援助を、あなた(妹)にだけするのは、不公平。だからしない、と。確かに私たちは、同じようなものを買い与えられてきました。私たちの好みとか希望をまったく無視して」。
「援助してあげればいいのに!」と思ったそうです。「そんなことで、不公平だなんて、私は思わないんだけどな。それよりも、これまで親にお願いごとなんてしたことのない〇〇ちゃん(妹)が、言ってるんだから、よっぽどの希望なんだと受け止めて、援助するなり、話合うなりするべきじゃない?!・・と妹に言ったものの、そんな理屈が通用する親じゃないことは、私たちには痛いほどわかっているワケで・・なんだか、ふたりでしんみりしてしまいました。なんか、寂しいんだよねって」。
この人は、それ以来、親に感謝できない自分を責めることをやめたと言います。「父や母は、必要十分なものを私たちに与えてきたつもりなんだと思います。でも私たちには、それらすべて押し付けでした。子供が欲しているときに、欲しているものを与えてあげないから、私たちきょうだいは、いくら恵まれた物品に囲まれて生活していも、心がさびしかった。ありがとう、と思えないんだと思います」。
「妹は、実家を出ることを諦めたようです。でも、私とそんな話をし、気持ちはラクになったって言ってました。自分の気持ちは偽れない。感謝できないものはできない。いくら強制されても。心だけは自由でいたい、そんなことを言っていました。私もその通りだと思います。感謝して欲しいと思っている両親。感謝する気になれない私たち。どこまで言っても、平行線をたどり、なぜ私たちが素直に感謝できないのか、両親は知らないままその人生を終えていくことでしょう。残念です。でも私は前を向きます。私には、感謝したい人がほかにいる。その人たちのことを、大切にしようと思います」。
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