自殺願望は毒親のせいだった! (2)
「父も母も、世間体を気にするタイプでした」。そう語るこの人の両親は、しつけに厳しい人だったと言います。 ...
「しつけが厳しいのは、悪いことではなかったと思うんです。問題は、その目的です。父も母も、周囲の人から『いいお嬢さんね』と言われるような『私』を求めました」。そして、その期待に応えなければ、と必死に生きてきたと言います。
「私は、勉強も部活も頑張りました。親戚の誰よりもいい高校へ行き、トップクラスの大学に進みました。私は、父と母の誇りであり、私も、父と母を幸せにできている自分を誇りに思っていました」。この人は言います。「私は、完全に洗脳されていました。その考え方は、『親のために生きる』であって『自分のために生きる』ではない。でもそんなこと、あのときの私に知る由もない。私は、親のために生きることしか知らずに大人になってしまったんです」。
この人が、自殺を決意するほど落ち込んだ出来事は、32歳ときに起こりました。「私は、両親の意に反し、地方都市の地域密着型の広告代理店に就職しました。誰もが羨むような一流企業に私が就職するものだと思っていた両親は、ショックのようでした。私は、大企業の中で女性というハンデを背負いながら男社会で勝ち抜くよりも、人材不足ぎみで、男性がするような仕事を簡単に女性に任せてくれるような会社に入りたかったんです」。
10年が経ち、自分が作った広告作品を両親に見せる機会があったそうです。「母は、まったく興味がないようでそっぽを向いていました。父はむしろイライラしていました。『大したことない』と言いました。中小企業のやる仕事を完全にバカにしている態度でした。私はそれをきっかけにうつになってしまいました。重症でした」。
この人は、当時を振り返りこう語ります。「自分が、父や母の期待通りではないとわかった瞬間、自分の価値がゼロになった気がしたんです。自分の足元の土台が一瞬にして崩れ、ストンと深い深い穴に落ち、そこからまったく這い上がれなくなってしまったような感覚でした」。自分の人生は失敗だ。最初からやり直さないとだめだ。人生をリセットしたい・・そう思うようになったそうです。
病院へ行き、カウンセリングを受け、その原因が「親の洗脳」だと気づくのに、時間はかかりませんでした。
「自分の仕事を、父や母に認めてもらえなくても、死にたくなる必要はちっともなかったと思います。でも、子供の頃から、父と母の理想どおりの娘を演じ、そうすることで、私は愛されていると確信を得ていた私は、両親の反応を見て、私はもうお父さんとお母さんの理想の娘じゃない。こんな私じゃダメだ、と思ってしまった。親のために生きてきたから、親にちょっと認められなかっただけで、自分が『無』になってしまったと思います」。
「もしかしたら人は、そのくらいのことで?と思うかもしれません。でも、親のために自分を押し殺し、ひたすら父と母の理想の娘を演じ続けてきた私です。理想の娘だと思われていない、ということは、自分が無価値に思えるようなことだったんだと思います」。
この人も今はもう、親の洗脳が解け元気です。「自分のために生きる。自分の幸せのために生きる。自分にそう言い聞かせています。父や母は、今でも、私の生き方が気に入らないようです。でも私の命だもの。私の好きなように使わせてもらいます。親からもらった命だから? 育てたもらった恩があるから? そんなことを気にしていたら、一生親に束縛されてしまうし、いつまでたっても、自分の人生は生きられない。その考え方からは、もう卒業します」。
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