【認知症父の入院７】父は本当に認知症なのか？自分で調べてみた (2)

「MMSE=20/30 であったため、レミニール8mgから開始し、現在16mgにて継続中です。」 ...

MMSE についてネットで調べました。MMSEとは「ミニメンタルステート検査」、認知症の診断用テスト。調べたところによれば、時間や場所、物の名前や計算、図形の描画などの質問に答え、何問正解だったかで認知症の疑いを判定をするもののようです。

この検査は、30点満点中、23点以下で認知症の疑い、27点以下は軽度認知障害の疑いがあるとされています。紹介状にあった「MMSE=20/30」とは、30点満点中、父の成績は20点だったのではないかと推測できます。20点と言えば、確かに「認知症の疑い」です。しかし、父は認知症とは限らないでは？と思える事実も、この紹介状には書いてありました。

ミニメンタルステート検査の結果では「認知症でも・・

「H30年12月10日施行のMMSE=20/30 であったため・・・」

紹介状には、MMSEの実施日が書いてありました。父は、１２月の３日にこの精神病院の閉鎖病棟にある保護室（隔離室）に、医療保護入院という形で緊急入院しています。隔離室にいた期間は７日間（診療明細書から確認）。12月10日は、興奮状態だった父が落ち着きを取り戻し、隔離室から一般病床（同じ閉鎖病棟内）へ移った日。その時点で父は、まだ「急性一過性精神病性障害」を発症中だったことは明らかでした。この頃父は、母のところへ電話してきて「病院に大きなネズミが出たから退治してやったんだ」などと言っていました。この時期に統合失調症の治療薬や睡眠剤を飲んでいたことも、その月の診療明細書から確認できました。

私は思いました。「ミニメンタルステート検査（MMSE）」の点が30点満点中20点だったのは、急性一過性精神病性障害だったからじゃない？」。保護室からは出られたものの、「急性一過性精神病性障害」が治ったとは言える状態ではまだなく、まだ幻覚を見ていた。しかも、父の入院した病院は、自動車専用道で30分以上もかかる隣の市、両親の全く知らない場所の初めて聞く名前の病院。父は、興奮状態で緊急入院しており、「どうしてここに入院したのか覚えていない」とも言っています。そんな父に、しかも、外から遮断された閉鎖病棟の隔離室に１週間もいたその直後に、（例えば）「ここはどこですか？」「今日は何月何日ですか？　何曜日ですか？」などと聞かれたとしても、答えられなくて当然では？と思えます。

入院４ヶ月間、MMSEの再検査はなし

私は残念でなりません。父は、４ヵ月もの長期間に渡り、この病院のお世話になりました。「どうして、入院２ヵ月目とか、３ヵ月目とか、４ヵ月目に、再度検査してくれなかったんだろう。『しっかりしておられます』としきりに言い始めた２ヵ月目以降に、再検査してくれていたら、父にどの程度の認知症の傾向があるのか、ハッキリさせたうえで退院させられたのに。母だって、私も、息子である夫も、お父さんにこれから先どう接していけばいいか、参考になったのに」。４ヵ月間入院してたのに、本当に何もわからないままだったな・・と残念でなりません。

父は、認知症ではないのでは？

思えば、病院からは、認知症を疑われるような父の言動を指摘されたことは一度もない。そればかりか、しっかりしておられます、排泄・洗面ひとりでできています、と、治療どころか介護の必要さえないかのようなことを、しつこいくらいに言われ続け続けています。

「それって、認知症の傾向なしって病院側が言ってるも同然だよね？！」と私は思いました。夫も言いました。「認知症の薬（レミニール）をずっと飲んでいるけれど、認知症だとは限らないんじゃないか？」。それなら、退院後、父を地元のＳ精神病院に通わせる必要はない、ということになります。

「レミニール」は何に効いてるのか？

ひとつだけ心配があるとするならば、Ｓ精神病院に通院しないと、父は「レミニール」を飲まないことになる、ということです。認知症でないなら必要ないのかもしれません。しかし、認知症の進行を抑えると言われているレミニールが、父の脳ミソを活性化するとかなんとかしていて、せん妄（急性一過性精神病性障害）を起こさないでも済むようにしてくれているのなら飲み続けていた方がいい、ということになります。父が興奮状態で暴れたとき母は相当に怖い思いをしており、２度と同じ目に合うのは嫌だと言っています。「おそらく認知症ではないと思う」と夫が母に伝えたところで、それを飲ませ続けることでせん妄を起こさないなら、とにかく与えておきたい、と思っている節が母にはあり、どうすればいいのか・・とふたりで頭を抱えてしまいました。

私にも夫にも、医療の専門知識はありません。だから、レミニールを飲むのをやめたらどうなるのか・・その影響は、まったくわからず、実際、退院後３週間が過ぎ、薬が切れた直後は、父の様子が気になって気になって・・また暴れなきゃいいけど、とドキドキしました。（結果的には、問題ありませんでした。レミニールを飲むのをやめた父の様子についてはまた別途。）

認知症の薬「レミニール」。薬剤調整してみて欲しかったんだけど・・

残念だな、と思うのは、「しっかりしておられます」としきりに言い続けていた入院２ヵ月目からの３ヶ月間、その時期にレミニールの量を減らしてみてくれていれば・・ということです。

診療明細書によれば、レミニールは、入院直後の「8mg」の時期を経て、１ヵ月目の途中からずっと同量「16mg」を処方されています。素人の私的には、どうして「8mg」に戻して様子をみてくれなかったんだろう、とか思ってしまいます。「レミニールの量を減らしたら、幻覚を見始めたので、元に戻しました」とかそんな経緯や説明があったら、私たちはまず間違えなくＳ病院に父を通院させただろうと思います。

ちなみに、便秘の薬には、細かに薬剤調整された後が見えました。処方薬から、一般的な市販薬の「ビオフェルミン」に。そして最後の１ヵ月はナシ。もしかしたら、便秘の薬については、内科の別の先生が処方してくれたのかも・・など思ってしまう私がいます。

精神病院にはもう連れていかない。その決め手は？

私たち息子夫婦は、父をＳ病院に連れて行かなくてもいいのではないか、とより一層強く思うようになりました。しかし、医者が「行け」と言ってるのです。しかも「行かないと困ったことになるんですよ！」と脅さてます。私たち素人が、それを覆すような決断をするのは勇気がいります。しかし、最後のひと押しをしてくれたのは、皮肉にも、この担当医の書いた「紹介状」にあったこんな下りでした。

次に続く・・。

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