【認知症父の入院9】無責任な病院と医者に振り回されました (2)

【認知症父の入院9】無責任な病院と医者に振り回されました (2)

父が「急性一過性精神病性障害」の発作を起こしたとき(せん妄。幻覚を見て暴れたこと)、母は相当に怖い思いをしており、父を介護施設に入れてしまいたいと思っていました。しかし、Fさん(退院後生活環境相談員)から繰り返し繰り返し・・「しっかりしておられます」「落ち着いておられます」「排泄洗面ひとりでできています」と言われているうちに、治療どころか介護さえも必要ない状態なんじゃないか、要介護認定を受けても、自立判定しかでないのではないかと思うようになったのです。母が入所させようと思っていた施設の入所条件が「要介護1以上」であったこともあり、母は施設を諦め、父を家で看る決心をやっとしたところでした。退院前日になって、突然そんなこと言われても・・「病院にだまされた。人生狂わせられた!」と不信感を抱いて当然の状況です。 ...

この主治医、なかなか首を縦に振らない母に困り、最後、ちょっとキレちゃった?? かなり苦し紛れに、脅しとも取れる「S病院に行って主治医を作っておかないと、再発したときここよりもっと遠い病院に連れて行かれて困ったことになるんですよ!!」そんな言葉を母に投げかけたのではないか。S病院に行ってくれないと、要介護認定の調査員に言ったことと矛盾が生じてしまう。S病院に通って主治医を作ってもらわないと、デイサービスに行って父が問題を起こしたとき、自分が責任を問われかねない、それを避けたい・・保身のためだったんじゃないか。

この医者、ほかのお医者さんに責任丸投げ?

すべては状況証拠にすぎないけれど、すべての状況証拠は、「要介護認定の調査員に言った内容とのつじつま合わせ」だと示しているように私には思えます。「私たちは、何のために父を、精神病院に通院させなくちゃいけないの?」。それが父のためなら行くと思う。でも、お医者さんがウッカリ?保身のために?勝手に言っちゃったことのつじつま合わせだけのために、連れていくのは勘弁。

その証拠に、なぜ通院しなければならないのか、の説明は最後までまるでない。何の病気で?、認知症で? 急性一過性精神病性障害で? それさえわからない。「再発するかもしれないから」「主治医を作っておくように」ただそれだけ。そんな話になっているとは露知らず、父は、すっかり治って退院だと思っています。主治医から父は、通院の必要性の説明を受けていないのです。そんな父を、家族の手で精神病院に連れて行ったら、父を怒らせたり、落ち込ませたり、不安がらせたりするに違いない。そんなリスクを冒してまで、明確な理由もなしに父を精神病院へ連れていくわけにはいかない。

もしこれが本当なら、病院って、医者って、何なんだろう?と医者不信になりそうです。病院訴える人ときどきいるけど、気持ちわかるな、と思いました。保身のためなら何でもする。退院して欲しいときには、治ったようなことを言い、治ってないことにしておいた方がいいときには、再発しますなどと言う。しかも同じ患者に対して、コロコロ言うことを変えるなんて、患者家族をバカにしてるもいいところです。はっきり言って、病院なんて、医者なんて、もううんざりだ!と思いました。(しかし、私がこれまでかかってきたお医者さんは、こんな無責任な先生いなかったけど!)

患者家族への説明と違うことを言った?

私が憤るのは、この医者は、退院後の通院の必要性について、患者家族である母に説明する前に、それどころか、治療どころか介護さえ必要ないようなことを言っていた段階で、要介護認定の調査員に「今後も精神病院に通院が必要です」と言っちゃったんじゃないか・・?ということです。

時系列に並べるとこうなります。
3月10日頃 要介護認定の調査員が病院へ。父との面談が行われる。
3月12日 突然「まだ退院しないでください」とFさんから言われる。
3月25日 「退院後は、精神病院に月1回行ってください。紹介状書きますから」とFさんから突然言われる。
4月1日 担当医と初面談。「再発するかもしれません」「病院行って主治医を作っておかないと困ったことになりますよ」と脅される。
4月2日 退院。

再発の可能性があるならあるで、早く説明して欲しかった。4ヶ月間雲隠れの主治医。退院前日に初めてそれを言うなんて、ズルイよね。通院の必要があるならあるで、なぜ「退院してください」と最後通牒を突き付けた1ヵ月前の段階で、それを言わなかったの?

要介護認定。申請を取り下げさせたかった?

思えば母は、市に要介護認定の審査申請をしてから、要介護認定の調査員の人がこの病院にくるまでの約2週間、病院側(退院後生活環境相談員のFさん)から、「しっかりしておられます」「落ち着いておられます」「洗面、排泄、ひとりでできています」としつこいくらいに言われました。あたかも要介護認定など受けても無駄ですよ、といわんばかりの言葉の数々でした。

はっきり言って、私は不快でした。病院は、要介護判定をするところじゃない。父には介護保険サービスを利用する権利があり、介護者となる母にも、父にそれを受けさせる権利がある。なぜそんなにそれを強調するのか。不可思議だったし、まるで自分たちが、要介護なんて下りるはずもない健康体の父に、それを受けさせようとしている「勘違い家族」であるかのように思えてきたりもしました。

今思えば、本気でこの病院は、父の要介護認定申請を取り下げさせたかったのかもしれないな、と思います。調査員がくれば、担当医はヒアリングを受けることになる。「意見書」を書かなければならなくなる。「ここ3ヶ月もの間、穏やかに過ごされています。退院が遅れているのは、妻が反対してるからです」と、S病院への紹介状に書いたそのままを調査員に言えば、父がデイサービスに行って問題を起こしたときに、自分の責任になる。それが嫌だったんじゃないかと思えてならなくなります。

病院と介護保険は密な連携

A病院は、私たち家族の知らないところで、勝手に行政側に、父があたかも再発必至の重篤精神病患者のように伝え、そして、行政側も実に見事にそれを把握し、福祉課の人からケアマネージャーへと伝達されていました。

私は、病院と行政がこのように連携していることは悪いことだとは思っていません。それどころか、とてもいいことだと思うし、介護保険サービスは、想像していたよりも、ずっとずっと公平中立に、利用者のために機能しているものなのだなと感心しました。

そして連携が取れていたからこそ、両親は病院から、母の元に正式な要介護判定結果が出るより早く、「まだ退院しないでください。入院していてください」と言われた、つまり行政が、ひとりでの入浴が危険な高齢者を今退院させるな、と圧力?ストップ?をかけてくれたのだろうと思っています。その証拠にA病院は、これを境に手のひらを返したように母にやたらと親切になったりもしました。「前例がないことはないので・・」と原則を曲げてまで、車がなく移動手段のない父と母のために、退院の時には父を家まで送ろうと突然提案してくれました。退院後は入浴にデイサービスを使わなければならない父に、「退院当日の夜がお風呂の日です。もう1日退院日を伸ばせば、お風呂に入った翌日に退院できます。デイサービスをすぐ利用できなくても安心かもしれませんがどうされますか」と、これまでの対応からは想像だにできないような親切なことを言ってくれたりもしました。

病院はどうやら、行政に弱いらしい。そして、病院と介護保険サービスは、見事なまでに、リアルタイムに情報共有されている。そう思いました。こんなこともありました。

病院はケアマネが決まったことをいち早く知っていた

退院1週間ほど前に、要介護認定が下りました。市の福祉課の方が迅速に動いてくださり、すぐにケアマネージャーさんが決まりました。入院先A病院の「退院後生活環境相談員」のFさんから、母はすぐ言われたそうです。「ケアマネ決まったそうですね」と。

この頃母は、「退院後も通院してください」などと詳しい説明もなく一方的に言われ、精神的に参っていました。担当医は雲隠れのまま、2転3転する病院側の指示。この病院には不信感しかなく、私たち息子夫婦は「後は、介護保険を頼ってやっていくから、お願いだからもうほっといて。お母さんにこれ以上、混乱させるようなこと言わないで」と言いたい気分でした。だから、介護保険サービス側の打ち合わせについて、病院にはもう何も言わなくていいよ、と母に言っていたし、母もそうしていました。しかし、Fさんの方からそう言われたという母からの報告。「何でも知ってるんだな・・」と行政と病院がかなり密に動いていることを痛感した出来事でした。

私をもっとも怒らせたのはこの言葉!

ちなみにFさんはこのとき「デイサービス、向いてると思いますよ!」などと母にいらないアドバイスをしてくれたそうで、母は苦笑、夫は呆れ、私はカンカンでした。「そんなアドバイスいらないよ!! そんなことより、入院から4ヵ月が経とうっていうのに、お母さんはまだ一度も担当医から話、聞けてないのよ。そっちをどうにかしなさいよっ。この前も、担当医から電話させますってあなたが言ったから、お母さんは、その30分も前からトイレも行かずにずーーーっと電話の前で待ってたのよ。どーなってんのよっ」。私はカンカンでした。

ハッキリ言って、父がデイサービス向きの人物であることは、わざわざ教えていただかなくても、私たち家族(母、夫、嫁である私)はわかりたくないくらいわかっています。父は、人とおしゃべりしたりすることが大好きで、昔から、ペラペラとあることないこと、時には嘘までついて、家族のことをおもしろおかしくあっちこっちにしゃべりまくり、はっきり言って、その「デイサービス向きの性格」に何十年も悩まされてきているのです。母に至っては60年近くも!! 退職金は、飲酒と人付き合いでほとんと使い切っており、実家はホントにお金がない。何が「デイサービス向きだと思いますよ♪」だ!! そんなアドバイスいらないから、病院側の説明責任を果たしてくれ。病名と検査結果くらい、ちゃんと教えてくれ。

私はすっかり病院・医者不信です

散々な目にあった父の入院騒動でした。

退院後、どうなったか・・。父はS病院には行きませんでした。退院時に渡されたアルツハイマー認知症の進行を抑える薬「レミニール」3週間分はすべて飲み終え、薬を飲むのをやめてもう1ヵ月以上が経ちます。「S病院へ行かないと再発して、大変なことになるんですよ!!」と退院前日に主治医から脅されましたが、再発していません。「デイサービス向きです」と精神病院からも太鼓判?押された父は、今では週に2回のデイサービスを楽しみにしている毎日です。

退院後、レミニールは3週間できれたわけですが、飲んでいたときと、飲むのをやめた後の父には、ちょっとした興味深い変化があり、この話は別途詳しくしたいと思います。(>追記しました。コチラでどうぞ!

続いては収支決算。入院とは、こんなにお金のかかるものでした・・。次に続く・・。


人気の記事
モラハラ親チェック【無料診断】
親ストレス診断
毒親育ち度診断
自己肯定感診断【簡単チェック】
ダメな親診断【セルフチェック】
すぐわかる!ADHDチェック
燃え尽き症候群セルフチェック
うつセルフチェック【無料診断】
承認欲求セルフチェック
自分の親が最悪な親かどうかわかるチェック


    先頭へ戻る