【認知症父の入院11】レミニールをやめた父。その後の様子。

【認知症父の入院11】レミニールをやめた父。その後の様子。

認知症ではない老父に出されていた認知症の薬。止めていいのか悪いのか??

父85歳。「ネズミがいる」と幻覚を起こし、「退治する」とハサミを振り回し、警察に取り押さえられ、精神科病院に医療保護入院となりました。父のせん妄、正式な病名は「急性一過性精神病性障害」でした。

そんな父も、4ヵ月の入院ののち、認知症の薬「レミニール」3週間分を持って無事退院してきました。あれから2ヵ月。父はもう「レミニール」を飲んでいません。レミニールを飲むのをやめた父には、ある興味深い変化がありました。 ...

これまでの経緯

父の入院から退院までをざっくりまとめます。

・12月3日。父、せん妄を起こして精神病院に医療保護入院。 >詳しくはコチラ
・2月19日(入院2ヵ月半)。転院予定が一転「退院」に。理由は、転院先に断られたから。 >詳しくはコチラ
・2月末。要介護認定の結果が出るまで入院継続することに。 >詳しくはコチラ
・3月25日。介護認定の結果は「要介護1」。「ひとりで入浴できていないので、デイサービスに行ってください」と病院から言われる。退院前日、主治医に「再発するかもしれません。S精神病院に主治医を作っておかないと困ったことになりますよ」と脅される。 >詳しくはコチラ
・退院後の独自調査。診療明細書から父の受けていた治療や経過がわかる。 >詳しくはコチラ
・父のせん妄(急性一過性精神病性障害)の原因は、慕っていた「兄の死」だとわかる。>詳しくはコチラ
・認知症のテスト結果が判明。認知症ではないのでは?という結論に達する。>詳しくはコチラ
・S病院に通院させないことにする。>詳しくはコチラ

退院後の様子

父が退院してきて1ヵ月は、ハラハラさせられっぱなしでした。父の様子が危うくて、というよりも、母が危うくて。

母は退院後、地元の精神病院に父を連れて行きたがっていました。「紹介状持って、S病院に行ってください。再発するかもしれません。受診して主治医を作っておかないと困ったことになるんですよ。ここよりもっと遠い病院に入院させられるかもしれないんですよ」という入院先の病院の主治医の言葉?脅し?が、ボディーブローのようにじんわり効いてきているかのようでした。父のために、というよりは、「病院に連れて行かないとなんだか心配」とか「病院に行きさえすれば、大丈夫なはず」とか、いわばお守り的に、父を精神科に連れていきたがっているように見えました。

夫は、週1回、父がデイサービスに行っている時間帯に母に電話をし、そんな母の話を聞いていたのだけれど、「ふーん」「そうなんだ」「なるほどね」と徹底して静観のかまえでした。退院するときに夫は母に「一度ああいうこと(せん妄を起こして暴れたこと)があったからといって、いつまでもオヤジを頭のおかしい人みたいに扱うのはやめよう」言いました。母にはかなり頑固なところがあるのだけれど、ひとり息子である夫の言うことだけはよく聞く。精神科に連れて行きたいけど、息子がそう言うから・・と連れて行けない様子でした。

父の容態に少しでも心配な点があれば、それを夫に逐一報告し、「そういう様子なら、病院に連れて行こう」と夫に言われたがっているかのようでした。まず、退院から3週間、認知症の薬「レミニール」を飲んでいたときの父の様子です。

知り合いの様子を気にする

退院後、父は、知り合いがどうしているのかをしきりに気にし、あっちこっちに電話したがっていたそうです。母は、「そんなこと気にしなくていい」と電話させなかったとのこと。亡くなったお兄さんの話になどなれば、再び父がパニックを起こし、暴れ出すかもしれないと母は怖かったようです。

4ヵ月も入院していたのだから、あの人どうしてるかな、と気になってもおかしくないと思うのだけれど、私が「?」だったのは、父が気にしていたのは、高齢の人ばかりだったこと。「お父さん、次に死ぬのは自分なんじゃないかと不安に感じてる?」。父は、DV夫+毒父みたいな人なのですが、実はかなりの小心者。「自分より年齢の上の人がまだ生きていたら、自分はまだ大丈夫」・・父ならそんな風に考えそうだ、と思いました。そして、「死ぬのが怖くてせん妄」なんてことに今後ならないといいのだけれど、とも思いました。

死んだお兄さんの写真がないことを指摘

おじさんの写真が、実家に1枚もないということはないと思うのだけれど・・おそらく、父がせん妄を起こして暴れたとき家の中がメチャクチャになってしまい、母は、かなり大胆に物を捨てたので、そのとき一緒に古い写真とかも捨てちゃったんじゃないかと思います。母は仏壇に、お兄さんの戒名を書いたものを置いていました。

退院してきた父は、一番にそこに行き「兄貴の写真がないな」と言ったそうです。母はそれに、「戒名に手を合わせればそれでいい」と答えたと。そんなやり取りさえ母には、不安の種になったようで、お兄さんのことを気にしてる -> また暴れ出すんじゃないか、と夫に電話で訴えていました。

私は、それはむしろいい兆候なんじゃないかな、と思いました。亡くなったお兄さんに手を合わせることは、父の回復に必要なことにさえ思えました。私は、屋根裏から自分たちの結婚式の写真をひっくり返し(そんな写真見たの20年ぶり)、おじさんの写真をピックアップ。夫から「飾ってあげたら?」と手紙を添えて母に送ってもらいました。その写真がどうなったかは、後半で。

独語。自分ひとりの世界に入り込んでしゃべってる

「お父さんが、何やらひとりでブツブツしゃべってる」。母は不安げに夫に訴えました。自分の世界に入り込んで、誰かとしゃべっている。普通に見れば、「まだ頭おかしいんじゃないか。また暴れだすんじゃないか」と不安になって当然の姿かもしれません。

しかし、私たち息子夫婦は、さして驚きませんでした。父の独語は、今に始まったことじゃない。昔から1週間に1回は「独語の会」でした。父はほとんどというか、完全にアル中で、若いころからベロンベロンに酔っぱらって帰ってきて、一晩中ひとりでしゃべっていました。誰と? どうやら亡くなった母親と話をしていたようです。

嫁である私も、その姿は何度も見ています。夫など、中学生のときから見ています。「お母さん、なんで今さら、ひとりでしゃべってるお父さんに不安になるのよ?!」なのです。死んだ肉親と、その人があたかもそこにいるかのように、頷いたり、笑ったり、会話をするのを常としてきた父(たぶんそれが、父の精神安定剤だった)なのです。

私は思いました。「今度は、亡くなったお兄さんと、しゃべってるんじゃなかろうか」。それならそれでいいんじゃないかな、と思いました。父は、あんなに仲の良かったお兄さんのお葬式に行けませんでした。父は、お兄さんが危篤と聞いた段階で、そのショックに堪えきれなかったのか、せん妄を起こし、暴れ、警察に取り押さえられ、精神病院の隔離室に「強制収容」みたいに入院。おじさんが亡くなったときは、隔離室にいました。

大好きだった「兄貴」と最後のお別れができなかった父。自分ひとりの世界に入り込み、おじさんと対話し、お別れを言ってるのかな、と思ったりしました。そうやって少しずつ、気持ちの整理をしていくしかないのでは?とも思えました。母にも、そんなに冷たい目でお父さんのことを見ないで、誰としゃべってるの?とか、優しく現実に引き戻してあげて欲しいな、と・・。なかなかそういう態度を父に取らない母を危なっかしく感じながら、まるで子供を見守るよう??なんとかふたり、うまくやって欲しい・・と祈るような気持ちになりました。

母を気遣う?

母は、父が夜間せん妄を起こすのではないかと心配だったらしく、退院してからずっと父と同じ1階の台所の隅にソファーを置いてそこで寝ていました。退院して1週間以上が経つのに、2階の寝室で寝ようとしない母を気遣うかのように、父は「そんなところじゃ、寝れないだろ?」と言ったそうです。母は「大丈夫だ」と答えたそうです。

母が浮気してると勘違い?

ところがそれが、おかしな方向に発展しました。父がそう言ってるのに、依然2階の寝室で寝ようとしない母。父の機嫌が悪くなり、2階に上がろうとしたそうです。「行くな」と止めた母。父がキレたそうです。そりゃそうです。そこは父の家でもある。父が2階に行っちゃいけない理由はない。

父は、自分から片時も目を離さない母のことを、不信に思ったのではないか。何か自分に隠し事をしているのではないかと思ったのではないか。父は自宅でせん妄騒動を起こし精神病院に緊急入院したとき、ひどく暴れ、止めに入ってくれた親戚の男性を殴り、動物のようにギラギラした目で睨み、唸り・・警察に取り押さえられたのだけれど、そこまで暴れたのは、どうやら母がその親戚の男性と浮気してると勘違いしたからのようなのです。「また、疑い始めちゃった?」。困ったものだ、と思いました。

しかも気味が悪いのは、「母ちゃん、浮気してるかもしれない」のスイッチが入ったときの父は、痛いのを感じないようで、スタスタと階段を上り下りするのです。そのときも、母の制止をふりきり、軽々と階段を上り、2階の夫婦の寝室や夫の部屋などチェックして回ったらしい。ひざが悪くてひとりで入浴できないから、デイサービスに行っているくらいの体なのに、なぜそういうときだけ階段を駆け上がれるのか不思議です。

精神病院に緊急入院したときにもそうでした。「ネズミがいる」と幻覚を見、「退治するんだ」とハサミを振り回しながら、階段を上ったり下りたり平気でしていたそうです。母がそんな父の姿を見て、あのときのことが蘇り青くなったのは容易に想像つきます。

確かに、そんな話を聞くと、やっぱりお父さん、頭、壊れちゃってる?と思うのだけれど、どっちもどっちと言うか・・母も母で、父に不信感を抱かせるような態度を取っている。まるで監視するかのように、就寝中さえも父から目を離さず、2階にもあがらせず。2階に上がらせないのも「落ちないか心配なのよ」とかなんとか、思いやりからくるものならまだしも、母は「お父さんが階段から落ちて、私が突き落としたとか思われたら嫌だ」とか言っており・・。結婚してもうすぐ60年。85歳の父が、80歳の母の浮気を疑いキレちゃうなんて、その信頼関係は何処に?? 老夫婦の結婚生活の仲裁までしなければならないような気分で、先が思いやられました。

風呂はまだ直らないのか、と父キレる

こんなこともありました。退院して2週間ほどたったころ、「風呂はまだ直らないのか!!」と父がキレたそうです。父が入院する前に実家には「24時間入れる風呂」が設置されていました。今後はデイサービスで入浴介助を受けることになり、また、父がせん妄を起こして暴れた時、脱いだ洋服を胸に抱き抱えたまま風呂に入って出てこない、といった奇行もあったため、危ないからいつでも好きな時に入れる24時間風呂はやめようと、夫がそれをやめさせました。

どうやら母は、父に「風呂が壊れたからデイサービスに行って」と言っていたようなのです。私たちはたしか母に「ひざが悪いから、病院からデイサービスで入浴させてもらってと言われてる(事実です)。私も心配だからそうしてね、とお父さんに言ったら?」とアドバイスしたと思うのだけれど。母は、父が怖いのか何なのか、そうは言わなかった模様。デイサービスは自宅の風呂が壊れているときに銭湯代わりに使うものでは決してない!! 母のその説明はかなりマズいし、父も「ウチの風呂が壊れてるから、ここで入浴させてもらってる」とか思ってるの?と頭を抱えてしまいました。

母はこのとき「お父さんがまた癇癪を起した」と夫に電話で訴えてきたのだけれど、「・・それって癇癪? お父さんからしたら、お母さんに風呂が壊れたからデイサービスに行ってって言われてるんだから、そりゃ、いつ直るんだ?ってことになるよね。なんでお母さん、ちゃんと言わなかったの?」。キレやすい父と、その父と怖くてまともに話しのできない母。本当に介護って複雑だ・・と思います。健康面だけではなく、その人の性格やら、生活習慣やら、人間関係やら・・様々な諸事情が複雑に絡みあうものだなと、つくづく思いました。

認知症の薬「レミニール」をやめた結果

これらはみな、まだ入院先の病院から退院時に渡された認知症の薬「レミニール」を飲んでいたときのこと。「お父さん、やっぱり壊れてる?」危ういです。一触即発な感じで、レミニール飲むのやめたら、さらにひどくなる?と心配しました。

ところが、3週間を過ぎレミニールをやめた後、むしろ父は落ち着きました。キレたり癇癪起こしたりしなくなりました。父の、レミニールをやめた直後の様子と、その後の様子です。 [...]


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