【親の介護は親のお金で２】実家のお金を管理する方法 (2)

要介護の父からキャッシュカードを取り上げる

父は、お金にルーズな人でした。アル中の父は、５年ほど前まで週に１、２度、飲みに行ってはベロンベロンになって帰ってきていました。その飲酒金額や、月々10万円くらいでなかったかという話です。（父がキレるので、誰も正確な金額を把握できていません。）「退職金は、全部酒に消えた」などと自慢げに話す父。実家が破綻寸前、その主犯であることは間違えありません。 ...

父の口座には、２ヵ月ごとに４０万円超の年金が振り込まれます。父の入院中に口座残高を調べたら、なんと「マイナス１６０万円」（定期預金が２００万円あり、それを担保に借り入れ状態）。残高など気にせず、下ろしたいだけお金を下ろす父です。父にキャッシュカードを渡したままにし、また使い込まれてはマズイ。夫が回収しました。母の手元に置いておくと、父が「返せ」「俺をバカにしてるのか」などとキレるに違いない、そんな心配を真剣にしなければならない、それも「父」です。これは高齢になってきたらではありません。若い頃からキレやすかったＤＶ男の父なのです。

ネットバンキングの手続き

年金が振り込まれる父の口座から、母に生活費を渡す手段が必要です。ネットバンキングの手続きをしました。夫と母が信用金庫に手続きに行きました。母が父の身分証明書など持参することで、父の口座のネットバンキングの手続きも可能でした。

２ヵ月に１回夫が、父の口座から母の口座へ生活費を送金します。ついでに月末には、家賃もネットバンキングで振り込んであげることにしました。母は毎月、信用金庫まで歩いて家賃の振込みに行っていたそうで、助かると喜んでいました。そうはならないことを祈りますが、母が認知症になったりしても、家賃を夫が振り込むようにしておけば、すぐ追い出されることもなくなりそうです。

父に別途おこずかいを渡す

父には、キャッシュカードがないことになります。キレやすいＤＶ男なので、それに気づいたとき母に危害を加えかねません。そこで考えました。

夫が同じ信用金庫に口座を作りました。そこには父が自由に使っていいお金「月１万円」を入金しておきます。そして父には、その代理カードを作り、父の財布に入れておきました。全く同じ絵柄のカードで、名前の刻印も父の名前です。父は退院後、一度もお金を下ろしに行っていないようです。下ろしにいけば、なんで１万円しか入ってないんだ、とキレるだろうと怖いのですが・・。（そういうことになったら「〇〇（夫）がやったと言え」と母には言ってあります。）父の財布には、今までと何ら変わらない外見のキャッシュカードが入っており、今のところ問題は起きていないようです。

代理カードを利用する

代理カードとは、家族カードとも呼ばれるもので、２枚目のキャッシュカードのこと。その口座を利用できる人をもうひとり設定できるのです。たとえば、遠方で暮らす子供に仕送りしたいとき、親が１枚目のキャッシュカードで入金し、子供が２枚目のカード（代理カード）を使って引き出すことができます。今回は、夫の口座の２枚目のキャッシュカードを父に持っておいてもらう、という方法を取りました。代理カードは、それができる金融機関とできないところとあるようですが、事前に信用金庫に、「高齢の父におこずかいを渡したいのだけれど、私が口座を開設して、父に代理カードを持っておいてもらうことは可能ですか？」と問い合わせたところ、できる、という返事でした。

この件があるまで、全然知らなかったのだけれど、全国の信用金庫や信用組合は、コンビニから入出金できるところが多く、両親の利用しているところもそうでした。遠方にいる親の介護をしなければならないとき、こういう仕組みはありがたいなと思いました。

貯金がいくらあっても破たんする

今しきりに、老後に貯金２０００万円必要、とか言われています。父の退職金は２０００万円。しかし、いくら２０００万円の貯金があっても、現役時代と同じように酒を飲み、同じ感覚で買い物をしていたのでは破たんする、というモデルケースのような両親だな、と思いました。

今回のことから何か私が学ぶことがあるとしたら、老後に備えて貯金することもそれなりに大事だけれど、「貯金さえあれば」という意識でいるのはやめようということです。年金暮らしになったとき、現役時代と同じ生活を維持しようとしないこと。ダウンサイジングするのは当たり前のことで、縮小した新しいライフスタイルを築き、その生活の中から幸せだったり充実感を感じられるメンタルでいることが大事だな、なんてことを思いました。

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