【認知症父３】プロ野球の結果次第でせん妄が起こる老父 (2)

何もしない癖に、文句だけはつける性格の父

まだ若かったとき（嫁の私がまだ初々しかった頃）、私の運転で家族でドライブしてて、道に迷ってしまって、そしたら父が後部座席でイライラし始め、「誰かに聞けばいい」「どうして人に聞かないんだ！」と。車なんだから、グルッと回って元の位置まで引き返せばなんとかなるものを、父がひとりでギャーギャー言っててうるさい。「人に聞かないやつは、素直じゃない」などと私の人格否定まで始まり、ウルサイから車止めた。父がそっせんして誰かに聞きに言ってくれるのかと思ったら、しらーっとしてて。 ...

文句を言うのは、家族にだけ。外の人には言わない。むしろ外ではやたらと愛想がいい。家で偉そうなこと言いたがってるだけ。家であーだこーだ言ってる文句は、ほとんど意味ない。

それでも、精神病院の閉鎖病棟に４ヶ月入院していた父が退院してからというこの３ヵ月ほどは、妙におとなしく、付き合いやすい人になったと言えばそうなんだけど、それはそれで父らしくなくて心配になったりして。今回の話を聞いて、いつものめんどくさいお父さんが戻ってきたなとホッとした感じもある。

せん妄の恐れ。あるとしたら。

父が精神病院に入院したのは「せん妄」がきっかけでした。夜中にネズミがいると幻覚を見て、退治すると言ってハサミを振り回して、止めに入った親戚の男性を殴って怪我をさせ、警察に取り押さえられて、精神病院の閉鎖病棟に４カ月間、医療保護入院。退院時、担当医から言われたことは「再発するかもしれないので、精神病院行ってください」ということでした。（精神病院退院するときの指示が、精神病院行ってくださいっていうのも「？」だったのだけれど・・！　ちょっと変わった・・というか、あまりいいお医者さんではなかったような気が。）

それを言われた母は、父がまたせん妄を起こすのではないかと、父が退院してきてからずっと怯え続けています。父を監視するかのように張り付いており、その様子に父がイライラしている気配もあり、それがせん妄の再発につながらなきゃいいけどとこちらもヒヤヒヤ。母は、毎週夫が電話を入れるたびに、少しでも父におかしな様子が見られた点について逐一報告をしてくれます。夫は、毎週のこの電話が嫌で嫌でたまらないよう。父の介護で母が疲れ、その母のサポートで夫が疲れ、その様子を見ている私も疲れ・・。

プロ野球の結果と連動する父の機嫌

しかし今週は、母も落ち着いていました。何でも、応援しているプロ野球チームの調子がいいので機嫌がいいとのこと。夫は言っています。「今年は、巨人に優勝して欲しい。巨人の調子が悪くなると、オヤジがまた精神病院に入っちゃいそうだ」と。冗談ではなく本気でそう言っています。

父は昔からそうでした。巨人が負けるとイライラして、怒りまくり、寝つけなくなる。勝つとスポーツニュースを遅くまで見続けご機嫌。私も帰省したときに、その父の姿は毎年のように見ています。夫いわく、夫が子供の頃からそんな感じだったそうです。

高齢父のせん妄の原因

父８５歳。歳をとった父は今や「イライラする->眠れない」だけでは済まず、「イライラする->眠れない->せん妄が起こる（幻覚を見たり、おかしな言動になる）」ということになるようなのです。巨人の調子が悪くなると、せん妄が起こって、精神病院に再び緊急入院・・なんてことが起こりかねません！

今心配なのは、父の様子、というよりは「巨人軍」。好きなチームとかスポーツ選手とか応援するのはいいけれど、調子が悪いとイライラしてテレビの前の選手に当たり散らすようなスポーツ観戦はしたくないね・・。若いときからの悪い習慣は、年取ってから大きな問題になることがあるんだなぁ、私は気を付けよう・・などと思う今日この頃です。

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