自分は完璧。悪いのは子供。謝らない母親 (2)
母のそんな態度は、ちょっとおかしいのではないかと気づいたのは、私が結婚した後のこと。夫の実家と、ちょっとした行き違いがありました。「この前はごめんなさいね~」と電話一本くれれば何の問題もないようなことでした。むしろそんな行き違いは、価値観や習慣の違うもの同士が知り合ういいきっかけになったかもしれないようなことでした。 ...
しかし母は違いました。「私は、○○さん(私の夫)に嫌われちゃったのよ」と、私たち一家を避けるようになりました。「そんなことないよ」と私は何度も母に言い、話をしましたが、母はその一点張りでした。「変な人だ」。母の説得に疲れ果て、私は母が「普通」ではないことにやっと気づきました。
誰にだって間違えることはある。「ごめんね」と言えば、またそこから人間関係はずっと続いていくのに、覆水盆に返らずだと信じ切っている母。謝ることを知らないから、私にもひたすら完璧を求め続け、「謝らなければならないようなことを絶対にしないように生きること」を私に押し付けた母。
母とはそれきりになりました。人づてに「私は、娘から嫌われちゃったのよ・・」と母が愚痴っていると聞きました。悪者になったような気分でした。両家の間にいる私がもっとしっかりしていれば、こんなことにはならなかったに違いないと、自分を責めました。母に寂しい思いをさせている原因は私なのだなと、どうすることもできない現実に絶望しました。
『毒親』の本を読んで、そういう思考回路こそが、毒親の洗脳なのだと知りました。
私には私の生活があり、スタンスがある。そして、母には母の人生がある。人は、自分の人生を生きていいのだなと、今は思えます。母は、自分の現状をなんとかしたいのなら、自分でなんとかすべきなのだ、と突き放して考えることができるようになって、私はやっと母から解放されました。
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