要介護1。食生活を変えたら高血圧が治った父、87歳 (2)

要介護1。食生活を変えたら高血圧が治った父、87歳 (2)

丑の日にうなぎを食べた父

退院して4ヵ月。父は、昼食と夕食の1日2回、「高齢者向け配食サービス」のお弁当を食べるようになりました。(朝は母が準備するレトルトのお粥です。)かなり健康的な食事です。しかしさすがにちょっと飽きてきたようで「丑の日にうなぎを食べたい」と言いだし、母が準備をしました。 ...

夕飯に、ガッツリうな丼を食べた翌日。デイサービスで測った血圧が、久しぶりの「150超え」でした!

食生活と高血圧の密接な関係

高血圧には食生活の改善が重要と言われますが、「本当にそうなんだ・・」と実感しました。しかも、想像していた以上にビビットに反映されるもんなんだな、と思いました。

血圧上がりそうなものを食べて、血圧がすぐ上がるのはまだわかる。しかしそれだけじゃない。病院食とか、減塩になっている配食サービスのお弁当とか、そういうものをコンスタントに食べ続けることで、ほんの数ヵ月で血圧が安定してくることも驚きです。

食生活って、本当に大切なんだな。私も、いい食生活を習慣化できるように心がけよーっと。

母の心配とうなぎの禁止

母いわく「うなぎは、半切れだけあげようと思ったんだけど、食べたがったから全部あげた。今後は、ちょっとだけにしようと思う」とのこと。いや、母のことだから「うなぎ全面禁止」になるかも!

母は責任感が強いというか、心配性というか、なんというか。父に何かあっちゃいけないと思うらしく、父の行動を制限しがちです。父は最近母から「2階に上がること厳禁」と言われました。私はてっきり「ひざが悪いお父さんへの思いやり」からくるものだと思っていたら実はそうではなく、「お父さんが2階から落ちるようなことがあったら、自分が突き落としたと誤解されるかもしれない。それが嫌だ」とのことで、私はかなり「???」でした。

父はもう87歳です。いつ最期のときがきてもおかしくない。階段から転げてそれでおしまいになったとしても、誰が母を責めようか! うなぎもしかり。うなぎ食べ過ぎて血圧あがってそれでおしまいになったとしても、お母さんの食生活の管理が悪いからだなんて、誰も思わないのにな、と思う。

余生を楽しんで欲しい

年を取ると、できないこと、無理なこと、年寄りには危ないことがたくさんでてきます。危険がないように配慮することは、高齢者のためであるようでいて、その人の行動を制限することにもなる。そのバランスが大切だなと思います。父は週2回デイサービスに通っているのだけれど、その書類にはこんなことが書いてありました。

「高齢者の残存能力を生かし、生き甲斐を持って暮らしてもらう」

父の様子を聞くにつけ、その言葉が思い出されます。うなぎが食べたいとは、まだまだ食欲があると言うこと。うな丼全部食べ切っちゃったということは、胃腸もまだまだ元気だということ。そんな87歳父の「残存能力」を生かすことは、父の生きがいにもつながる。私は嫁の立場で(夫がひとり息子)、遠方に住んでおり同居していないし、ただそんな両親を見守っているだけだけれど、何十年かしたら、私が夫の介護をするときがやってくるだろうと思う。

両親から考える「自分の老後と介護」

夫には最期まで悔いなく生きて欲しいと思う。やりたいと言ったこと。食べたいと言ったもの。願いをかなえてあげることが、最大の夫への愛情表現かなと思う。「それをしなければもっと長生きしてくれたかもしれないのに」という私の欲は捨てようと思う。「そんなムチャさせたからだ」と誰から責められようとも(そんなこと、責める人の方がどうかしてると思うけど!)、私は夫の幸せを最期まで願い続けることができた、と思える人生を自分のためにも送りたいと思う。

もう歳だからといって禁止するばかりではつまらない。(運転免許返納みたいに、やめなくちゃいけないこともあるけどね。やめるように説得することが周囲の人間の役割になることもあるけどね。)介護って奥が深い。いかにしんでいくかは、いかに生きるかにもつながっていると思う。


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