ひねくれてる？意地悪？思ってないことを言う父親 (2)

転べばいいのに

実家に帰省したある夏、夫と嫁である私、父と母、家族みんなでオリンピック中継を見ていました。日本選手がマラソンでトップを走っています。私たちは夢中で見ていました。そこで父がひと言。 ...

「転べばいいのに」。

冗談ぽくとかじゃない。憎たらしい感じで。私は、さすがに「ひどい」とつぶやきました。私はその場で母から「お父さんは、本当は優しい人なのよ」とたしなめられました。お母さんがそれでいいならいいけど・・そんなこと言っちゃってごめんなさい。私は夫に連れられて２階の自室に引き上げました。夫は無表情で、父のことも母の「ほっとけばいい」と言い、気分転換をするかのごとくマンガを読みふけっていました。

○んじゃえばいいのに

大きな事故がニュースになったときにも、父は言いました。「みんなＳＨＩんじゃえばいいのに」。ひとりでも多くの人が助かるといいなと思いながら見ているときにその発言。父は真剣にそう思っているわけではないなのですが、みなが「大変ね」「助かるといいね」などという雰囲気をかもしだしていると、自分に注目をひきたいのか何なのか、真逆なことを言い出す。わけわからない。

明日雨になればいいのに

明日はみんなでどこかドライブにでも行こうと計画していたときにも、父は言いました。「明日、雨になるといいのに」。夫と母は、「またか」という感じで、無表情＆無言で完全無視でした。

まだ結婚して間もなく、父の生態について詳しく知らなかった嫁の私は、「お父さん、行きたくないのかな」と心配しました。しかし、実際でかけてみれば、一番はりきっていたのは父で、なぜ「明日雨が降ればいいのに」と言ったのかがわからない。

私は前夜、「お父さん、無理して私たちに付き合ってくれるんだろうか？」と真剣に心配していたのです。この１件以来、私は、父のことを心配したり気遣うのがバカバカしくなり、母や夫と同じ態度を取るようになりました。父が何か言っていても、スルーするに限る。そうしていないと、こっちが気持ちをかき乱され、振り回される。

両親に冷たい夫

夫は、私にはとても優しい人なのだけれど、両親には冷たい。要介護となった父のことも、とにかく静かに逝って欲しい、というのが一番の願いのようで。

母には、「頼れる人がほかに居ないのよ」と泣き出さんばかりにすがられますが、「遠いから行けないよ。え？オヤジをこっちで引き取って欲しい？　その選択肢はぜーーーったいないからね。今後介護施設に入れなくちゃいけなくなったときのために、もう少し節約してお金を貯めて」とバッサリです。

親に裏切られ続けてきた夫

私は夫の気持ちがわかるような気がする。父は、夫が子供頃からそんな調子の人だったそうで、父親のことを心配しては裏切られることを繰り返してきているんだろうと思います。そして母も。いつも知らぬ存ぜずを決め込み、そんな父の発言は完全スルー。息子をかばったり慰めたりすることはなかっただろうということは、「私が知っている母」からして想像に難くありません。

私は夫に言っています。「親の介護に関して、私に協力できることがあれば喜んでやる。両親のためではなくあなたのために。親のことに関しては、あなたの気のすむようにすればいいと思う。面倒みるのでも、介護施設に入れるのでも」。

私自身も「毒親育ち」だからかな。「夫が親に冷たい態度を取るということは、父や母が、子供（夫）にそれだけのことしかしてきてないってことだ！」と思います。親に冷たい？もう少し優しくしてあげたら？・・ほっといてくれ！　罪悪感を抱いたりするのは絶対にやめようと思っています。

親がかわいそうな最期を遂げようとも、それもまた親の人生の一部。私が責任を感じることじゃない。私が責任持つべきは「私の人生」。私は私の人生がよりよいものになるように、自分の人生をこれからも丁寧に生きていこう、そんな風に思います。毒親の洗脳が解けていなかったら、私は今だに親に振り回されっ放しの５０代を送ることになってたんだろうな・・。

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