子供の性格を否定する毒親 (2)

私はそれ以来ずっと、自分の言い方はきついから気をつけないと、とそればかり考えてきました。ものすごく疲れます。人と話してても、気を遣ってばかりで楽しくないです。素の自分がバレそうで、飲み会なども避けてきました。人前では「どうかな～」「そうだね～」とか、かわいこぶって、あいまいな相槌ばかり打つようになりました。だから、気の合う友達ができない。相手は私をいい友達だと思っているようでしたが、私はただただ疲れるだけでした。 ...

『毒親』について知るにつれて、私は、子供の頃の私のままでよかったのではないか、と思うようになりました。唯一、気を遣わずにしゃべれる夫に聞きました。「私って、言い方きつい？」。「そんなことないと思うけど」というのが夫の答えでした。

「そりゃそうだよな」と思いました。私は、何か聞かれて「えっと・・それはたぶん・・きっと・・」などと、母が推奨するような曖昧な表現で返事をしたりする人じゃない。「それは違うと思う。私は○○と思う」とはっきり言う私を夫は好きなわけだから・・。

生まれて初めて、母のアドバイスは大きなお世話だったんじゃないかと思いました。

私は母に、自我を確立する大切な時期に、相矛盾するふたつの性格を求めらてしまったんだと思います。母は、自分の娘がしっかりしているということを自慢にしておきながら、その一方で私に「可愛げ」も求めました。しっかり者は、ある人から見れば「かわいらしいタイプじゃない」ということになるし、可愛げのある人は、ある人から見れば「しっかり者ではない」ということになる。そのふたつを兼ね備えようとしたら、私は分裂してしまいます。「道理で混乱したわけだ」と思いました。

私のような人は、家から一歩外で出たら「かわいくない」「生意気だ」と言われることがあるかもしれません。そんなことがあっても、落ち込んで帰ってきたときに、素の自分が受け入れられる「家」という場所があるから、自分を立て直し、また元気に外に出ていける。「家族ってそういう存在なんだな」と知りました。私は、自分の性格にイマイチ自信がなかったけれど、これからは、胸を張って自分らしく生きたいなと思っています。

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