決めつけ激し過ぎ。聞く耳を持たない母親 (2)

そして、仕事と両立させている人に対しても。「仕事と家事を両立させている人は、専業主婦の人ほど、家事ができているはずがない」。自分の家にいる時間の少なさを考えれば、一理あるとは思います。しかし、理屈が通っているように聞こえるからこそ、私はすっかり、その決めつけの激しい極端な母の理屈に毒されてしまったのだと思います。 ...

私は若い頃から、「仕事は好きでも、家事は嫌いな私」を演じ続けてきたところがあります。そしてそんな私の在り方は、母からしたら都合がよかったのだと思います。娘が「家事と仕事をそれなりに両立」させてしまっているとなると、母の専業主婦としてのプライドがズタズタになってしまう。私は、そう謙遜していることで、なんとか母とのバランスを保とうとしてきたのではないかと思えてなりません。

「最近はお料理するのよ、って言えばいいじゃない」と人は言うけれど、それは話の通じる親に恵まれた人なのだと思います。そんなこと言ったって太刀打ちできるような相手じゃない。だから、多くの人が「親」に悩む。

私の場合にも、単に家事をしないと誤解されている、という問題ではないのだと思います。私が「家事のできない娘」を演じ、「専業主婦のお母さんにはかなわないです！」という態度を取っていることで、うまくやってきた私たち親子の歴史。実際「最近はお料理するんだよ」と言ってみたことだって１度や２度じゃない。しかし、まったく聞く耳を持たない母にそれをわからせようとしたら、微妙なバランスで成り立っていたこの親子関係は、根底から崩壊してしまうだろう・・私はそう確信しました。

母は、今でも山のようにお惣菜を送ってきます。美味しいです。でも、うれしくないです。なぜなのかが今はちゃんとわかっています。こんな親子関係、崩壊するなら崩壊するでいいんだけどな、と一度は思ったけれど、それはそれでとても面倒なことになりそうなので「放置」することにしました。お惣菜のお礼は、ほどほどに。「どうせあなた、お料理なんてしないでしょ」のひと言は、スルーし話題を変えることにしました。「そうだね」と答えることは嘘になる。それだけはもうやめようと決めました。

親を喜ばせるために、嘘なんてつかなくていい。そんな簡単なことに気づくのに、４０年かかりました。

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