娘を愛情不足にする父親 (2)

だからだと思います。私は、物を買ってもらったり、父から何かしてもらっても、「ありがとう」とは、ガンとして言いたくないようなところがありました。そして、そんな私は、父としょっちゅうもめていました。しかし、いつも敗北。高校生のときには、自分の主張を通そうとし、たんこぶができるほど殴られたこともあります。 ...

父はいつも、私をこう責めました。「誰よりもいいものを買い与え、いい暮らしさせてやっている。それなのに不満ばかりのお前は、根性が曲がってる」。「そうじゃない！」と一歩もひかずに父とやり合っていた私も、内心はかなり参っていました。そして悩んでいました。何をしてもらっても、父に感謝する気持ちがわかない。愛されている気がしない。自分は、頭がおかしいんだ、人からどんなに愛されても、それを感じられない欠陥のある人間なんだと。

その苦悩は、大人になった後も続きました。人に何かしてもらっても、お礼とかしないと怒鳴られるんじゃないか、とそればっかり気になって、素直にうれしいと思えない。人間関係を楽しめない。対応をひとつ間違えば、今仲良くしている人も、自分を見捨てるに違いない、と怖くてたまらない。だから、人に気を遣い、人のご機嫌を取るようなことばかり言ったりしたりしてしまう・・。それは、愛情不足で育った「毒親育ち」の人の典型だと知りました。