人の気持ちがわからない母親 (2)

私はここ３年ほど、母とほとんど口を聞いていませんでした。口を開けば、お金の話ばかりで、寂しい気分になっちゃうから。でも私も、この３年で変わりました。 ...

母のような人のことを『毒母』というのだと知りました。自分の愛情不足は、毒親育ちが原因で、自分は何も悪くないのだということも。そして、母は母で、ああしか生きられないのだから、仕方がないと、諦めにも似た「許し」の感覚も知りました。

先日、私は、母ともう少しうまくやるべきかな、と思って、買い物に付き合って欲しいと電話をしました。友達の結婚パーティーに行く洋服を見立てて欲しいと。母は、しょっぱなから、私が、母のお財布目当てで、そんなことを言い出したのだと、思ったようでした。

「嫌よ！」母に言われました。「どうして？　この機会に、お母さんと話でもしようかと思って。最近仕事でいろいろあったから、お母さんの顔を見て、ほっこりして、甘えたら元気出るかな、って思って」。

致命的でした。「なんてがめついの、あなたは！」。どうやら母は、「甘える」をお金のことだと思ったらしいのです。いやそうじゃない。私の「甘える」っていうのは、精神的なことだったんだけど。「お金出してって言う意味じゃなくて・・」とその場で弁明しましたが、すっかり信用を失ってしまったようで、聞いてはもらえませんでした。

なんであんなこと言っちゃったんだろう・・。大後悔し、落ち込みました。でも、自分が毒親育ちだという自覚のある今は、その対処もちゃんとわかっています。「言い間違ったり、誤解させたりすることは、誰にだってある。私はちゃんと、そうじゃない、ってその場で言えた。私のその言葉を信用するかしないかは、母の問題。自分を責めるのは、やめよう」。

人の気持ちがわからない人には、何を言っても無駄なのだな、とつくづく思います。母は、今でもあちこちに吹聴しているようです。「私は、子供に十分なことをしてやってきた」と。金額＝愛情だと思っている母。それが母の価値観なら、私もそれを否定しない。でも、それは私の価値観とは全く違う。

母とはもうおしまいにしようと思います。あまりにも価値観が違うもの同士は、たとえ親子であっても、互いを傷つけてばかりになる。仕方のないことだと思うから。

先頭へ戻る