精神的に未熟なアホな親 (2)

私が大学生のときのことでした。就職のことで、母に相談したいことがありました。「ねぇお母さん・・」。話が終わるか終わらないかで、母にキレられました。「もういい加減、私の手を煩わせないで！！　私を母親業から解放して！！」 ...

「あ、言われちゃった・・」と思いました。「やっぱり私は、足手まといだったんだ」と思いました。全身の力が抜けていくようでした。

父が教えてくれました。母は、会社で希望していたポストに付けず、イライラしていたのだと。しかし、私は慰められませんでした。「私さえいなければ、お母さんは、仕事もっと頑張れたのかもしれない。希望していたポストにだって付けたかもしれない。私が、お母さんを不幸にしてるんだ」そう思い込んでいきました。

母から言われたことよりも、その現実がショックでした。私は、身を引こうと決心しました。わざと遠い会社に就職し、大学卒業と当時に家を出ました。

私の心の傷は、ずっと癒えることなく疼き続けました。誰としゃべっていても、「自分はいない方がいいんじゃないか」「自分のせいで、この人を不幸にしていないだろうか」そんな不安が頭をよぎってどうしようもなくなることがありました。友達に話したら、「それは毒親だよ！」と言われました。私は初めて気づきました。「普通の親は、あんなこと言わないものなのか・・」。自分を責めるのはもうやめよう、と思いました。

あれから15年。私は今、一男一女の母です。子供ができたとき、私は、フルタイムの仕事をやめました。「私もいつか、この子のせいで仕事やめなくちゃいけなくなった、なんて思うかな？」。母のことを思うとき、そんなことを考えます。「私は思わないだろうな。子供たちは、私にとっての宝物。自分の人生を投げ打ってでも守りたい私の人生の宝物。そんなものに巡り合えた幸せを、私は一生噛みしめるだろうな」。

精神的に幼い母でした。仕事できたのかもしれないけれど。高収入だったのかもしれないけれど。私にとっては、ただの「精神的に未熟」な母でした。

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