子供の悲しみに共感しない母親 その末路 (2)

子供の悲しみに共感しない母親 その末路 (2)

ちゃんとポケットに入れないからだし、ボーッとしてるからだと。そうかもしれない。でも母はそんなとき、最後まで私を非難するだけで、共感してはくれませんでした。私が「同じのを、もう一度買って」と泣きながら訴えてもダメ。「あなたのミスでしょ」と。母は、お気に入りのハンカチを落としてしまった私の気持ちに共感するどころか、100%私が悪いと非難し、冷たく突き放しました。 ...

怒られてもよかった。でもせめて最後に、「お気に入りだったのにね」とか、共感的な言葉をかけてくれたなら、私も母に心を開けたかもしれない、と思います。

そんな私の生い立ちは、思春期以降、さらに私の心を人から遠ざけました。

思春期になれば、女子同志、秘密の話をしたりするものだけれど、私にはそんな経験がありません。親に、自分の胸のうちを打ち明け、それに共感してもらったことがないから。それを、友達にもできなかったんだと思います。

彼氏はできたけれど、結局別れることになることも多かった。親から共感してもらうどころか、「あなたが悪い」とすべて自己責任であるかのように母から責められ続けてきた私は、どこか他人にも厳しくて、彼を責めてしまうことも多かったのかな。そんな私に、嫌気がさして、別れることになってしまった人もいたかもしれない、とも思います。

ひょんなことから、私は猫を飼い始めました。

お腹すいたの? 眠たいの? あれこれ猫の世話を焼いているうちに、自分の心がほぐれていくのがわかりました。去勢手術をしたときには、「痛くないのかな」「もし容体が悪化して死んじゃったらどうしよう」と心配でたまらなくなりました。

私は母に、そんな風に接して欲しかったのかも、と思いました。猫の気持ちになって、あれこれ世話をして、安心して寝入っている姿を見ると、幸せなのかな、と思って、私も幸せになりました。これが、共感するってことなのかな、と思いました。私は、猫に優しい気持ちを向けることで、自分自身をも癒していたんだと思います。

徐々に私は、人にも優しくなっていたのかもしれません。付き合っては別れ・・を繰り返していた私にも、気の合う彼氏ができました。猫と一緒に、彼のマンションに引っ越し、同棲を始めました。彼には、何でも話せます。母が苦手なんだということも、包み隠さず彼には言えました。

彼は言葉少なだったけれど、ずっと私の話を聞いてくれて、泣いていたらティッシュを取ってくれて、鼻水出てる、と言って拭いてくれました。まるで自分が、「猫」になったみたいな気分でした。心を開くって、安心できるって、こういう気分なんだな、と思いました。

私はもうすぐ彼と結婚します。母のことは今でも苦手です。でもそれもすべて、過去のことにしようと思います。これから先、彼がどんな失敗やらかしちゃっても、彼を責める前に、「彼も辛いかも」と思いやれる自分でありたいと思っています。


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