子供を洗脳する母親。子供への影響と末路 (2)

ここ５年ほど実家に帰らず、私は水を得た魚のように、生き生きと楽しく暮らしていました。でも最近、母から用事を頼まれ、電話で話をし、実家に帰らなくてはいけなくなりました。 ...

実家から帰ってきた私を見て、夫が驚いていました。私は、「まるで別人」みたいだったそうです。生気がない顔をして、笑わない。

実家で母から言われたことを、夫に話しました。母からまず最初に言われたこと。それは「電話したのに、出なかったわよ」ということでした。「やり取りが必要なときには、連絡がちゃんと取れるようにしとかないといけないわね」。ものすごく優しく、小さな子供に語り掛けるように言われました。

私はもう42歳。社会人経験20年。「そんなこと、言われなくてもわかってるよっ！！！」とイライラしました。しかし、そこでイラッとすれば私が負けだと知っています。「すぐイライラするのは、あなたの悪いところよ。治すように心がけないと、治らないわよ」さらに優しい声で言われるのを知ってるから。はらわた煮えくりかえるくらい頭にくることがわかっているから。私は言いました。「そうだね。電話に出なくて悪かったね」。しょうがないので、そう言いました。

私は、ほんの30分ほど母と話をしただけで、完全に狂ってしまいました。ちょっとしたことでイライラし、「どうせ私が間違ってるよ！」などと思うようになってしまいました。夫のちょっとした言い方にひっかかり、八つ当たりすることが増えました。

しかし何より辛かったのは、幸せだと思えなくなったこと。

以前の私なら、夫に「コーヒー飲みたいな～」と甘えられたら、「よっしゃっ！　私が愛のコーヒー淹れたげる」などとふざけて言って、美味しくなーれ、と思いながら言いながら、粉のコーヒーにゆっくりお湯を落として・・そんな時間が楽しかったのに。幸せだったのに。確かにあの日から私は、別人でした。

「コーヒー？　自分で淹れればいいじゃない」とか思ってしまう。淹れたとしても楽しくない。ただただ「ちゃんとやらねば」などと、義務感だけで動いている自分がいる。美味しく入っているかどうか、結果ばかりが気になって、すべてがつまらない作業にしか思えない。

私は母と一緒にいると、母の「こうあるべき」に圧倒され、「あなたは間違ってる」と思い込まされ、些細な間違えも許されないかのように追い詰められてしまう。そして、自分にも人にも厳しく、そしてどこか冷たくなってしまうんだと思う。

夫が言いました。「アレだよね。取調室で、長時間ネチネチ言われているうちに、全部私が悪いです、とか思っちゃって、やってもいないことやりましたって言っちゃう人みたいになってると思う」。あぁ、洗脳だ。洗脳されてるんだ、と思いました。

子供の頃、いつも欲求不満でイライラしていた私は、母の洗脳下におり、結婚して母と離れた後には、それが一旦解けていた。でも母とちょっと話をしただけで、いとも簡単に洗脳下に戻ってしまった・・。「私って洗脳されやすいの？」と聞いた私に、そうかもね、と夫は言ったけれど、それはどうかなぁ。完全なる洗脳下で、子供時代を過ごしてきている私。むしろ、それが普通だと思ってきた私。そんな私は、ほかの人よりも簡単に洗脳状態に戻ってしまいやすいのかも。

私はもう、ちょっと母には会わない方がいいかな、と思っています。母と会うと、人格まで変わってしまう。母にその自覚はないけれど、母は私を洗脳するのが上手な人。自覚がないから、もっと怖い。自分を守るためには、会わないのが一番だと思う。

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