調子に乗りやすい母親。その特徴と娘への影響 (2)

母には、私に優しくされると、調子に乗るところがありました。 ...

お母さんを喜ばせようと、うんと勉強して漢字テストで95点を取ったとき、母はすごく喜んでくれました。でも次からは、100点を期待され、口うるさくなりました。お母さんの誕生日に、いい点数のテストを持って帰って、サプライズにしようとか思ってバカを見た気分になりました。

風邪をひいてるお母さんに優しくしてあげたくて、お手伝いをしたことがある。でも母は、一度私がそれをすると、するのが当然かのように考え、それ以降、やらないと怒られたりしました。「１回だけなの？」とか嫌味を言われたりもしました。

人に優しくしても、ロクなことがない・・私はそんな風に思うようになったのかもしれません。人に優しくなんかしても、調子に乗って「もっともっと」と言われるだけ・・そんな風に考えていたかもしれません。

人と仲良くなりたいのになれない・・ハリネズミのような私だったけれど、人はいくつになっていても変われるものなのだな、と思います。私は今、その生きづらさから解放されました。

私は、結婚し親元を離れました。彼とは、愛し合って結婚した仲だけれど、今思えば私は、夫にも、そんなに心を開いていなかったかも、と思います。でもあることをきっかけに、私は夫に躊躇なく優しくすることができるようになりました。

実は・・私たちは、事故でひとり息子を亡くしました。

私もたくさん泣いたし、夫も泣きました。夫に、うんとうんと優しくしてあげたいと思いました。私も辛いけれど、夫も辛いはず。今、彼に優しくしないで、いつ私は、人に優しくできるだろう、と思いました。人に優しくしたって、調子に乗られるだけ・・そんな風に親から刷り込まれてきた私だけれど、天国へと旅立った息子が、私を変えてくれました。

夫に優しくしてみれば、「もっともっと」と調子に乗られることもなく、「この前はやってくれたじゃない」なんて苦言を呈されることもない。夫と心が通い合えた気がしました。人に優しくするということは、自分をこんなに穏やかにしてくれるものなのかと思いました。

私は、息子にも優しくできてたかな・・夫に聞きました。「あなたは、以前から優しい人だったよ。あの子もそれ、知ってると思うよ」。そんな夫の優しさがうれしかった。私はいつしか、人の優しさを素直に受け止められる人間になっていたんだな、と思いました。

先頭へ戻る