母親に大事にしてるものをみんな捨てられた(その末路) (2)

母親に大事にしてるものをみんな捨てられた(その末路) (2)

犬を捨てた母親

夫が高校生だったとき、母親は飼っていた犬を捨てたそうです。捨てたといっても、公園に置き去りにしたとかそういうことではなく、知人にあげたそうです。しかし夫は、「捨てられた」と当時から、そして今でもそう感じているようです。 ...

「確かに小学生のときには、毎日毎日、じゃれて遊んでた。でも高校生にもなると、じゃれたりしない。そんな俺の様子を見て、おふくろは、もういいだろうとか、飽きた頃だな、とか思って、知人にあげちゃったんだと思う」。

ひとりっこだった夫にとってきょうだいのような犬だったそうです。じゃれ合わなくても「お兄ちゃん」(大きな犬で小学生の頃の夫にはお兄ちゃんに見えていたようです)であり「親友」。夫は母親から「知人にやる」と言われて、何も言えなかったそうです。夫はそのとき高校1年生です。泣いて抗議なんてことができる年ごろではない。「・・勝手にすれば」。本心とは裏腹のことを言ったことを悔いていると言っていました。そうだろうと思います。私は心底夫に同情しました。

子供の写真を捨てた

私もその当事者として心底「この人、嫌だ」と思ったことがあります。

遠方に住んでいる義両親に、子供の写真を、と思い、アルバムに整理して送ったことがあります。そのときにはかなり喜んでくれているようでした。毎日眺めているとか言っていました。

でも、10年が経った頃、捨てられていました。帰省したときに、雑誌とか新聞とかと一緒に束ねられているのを見てしまった・・。「オフクロ。これは捨てるなよ」と夫が言い、「俺がもらっとく」と束の中からアルバムを取り出し持って帰りました。子供たちには決して見せられない光景だし、聞かせられない会話だと思いました。しかし夫は子供の頃、それを露骨にやられていたのだと思ったら、辛くなりました。

夫を捨てようとしている母

そして母は最近、夫を捨てようとしました。夫とは息子のことではなく、自分の夫。夫の父親。私の義父。義父が倒れ入院しました。幸い後遺症などはなく、元通りの生活をしています。しかし、救急車を呼んだり、入院中の父の世話をしたり・・母にはかなりの負担でした。

「お父さんの面倒を見たくない。そっちで引きっとってくれないか」と夫は言われたそうです。夫はその場で、バッサリ「そういう選択肢はない」と断っていました。

息子に捨てられた母親

私は自分でも信じられないくらい大泣きしてしまいました。義父の介護を押し付けられるかもしれないから、ではありません。お義父さんがかわいそうで。「お義母さんまた捨てるの? あなたのプラモデル捨てて、○○(飼っていた犬の名前)を捨てて、○○(子供の名前)のアルバム捨てて、今度はお義父さんなの? また捨てるの?」。涙が止まりませんでした。

義父は今、介護が必要な状態ではありません。義母が嫌がっているのは「今度また入院とかなったら、自分が大変だから」という理由。夫はその母親の言い分を完全スルーです。実際、家族が入院したりしたら、負担にはなります。高齢の母ならなおさらでしょう。しかし「今後そういうことが起きたら、サポートしないとな」とは夫はまーーーったく思っていない。

夫は言っています。「俺は親の介護は絶対しない」。お義母さんはいろいろなものを捨ててきたけれど、最終的には息子に捨てられちゃったってことか・・と思いました。

夫といろいろ話をして、子供の頃どんなことがあったとか、今でもひきずっていることがあるとか、知っておいてよかったなと思います。それがなかったら「介護まったくしたくないとか、無責任じゃない?」とか夫を責めてしまったかもしれない。でも私は、夫を責めません。あの人は、息子から捨てられてもしょうがない母親だと思うから。


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