知ったかぶりの毒母。その末路(電子レンジもネットも使ったことない)

知ったかぶりの毒母。その末路(電子レンジもネットも使ったことない)

親に騙されてた! いい親だと思ってた。いえ、思い込まされていた。たくみに洗脳されていた・・

私は完全にだまされていました。私は、母はとてもいいお母さんだし、優秀な人だと思っていました。そう思っていたので、私は母のすることはみな正しいと思い込んで育ちました。それが私の生きづらさの原因でした。 ...

今はわかります。「私は私」。でも、母と違うことをすると、自分が間違っているような気がしました。母は私の理想であり目標。私の自己肯定感は驚くほど低かった。

頑張っても頑張っても母には及ばない。大人になっても、就職しても、結婚してもその感覚は変わりませんでした。「まだお母さんには、遠く遠く及ばないな」と思っていました。

今思えば、それもある意味当然の感覚でした。だって私は母じゃない。母と違う感じ方をし、母と違う生き方をする。それで普通。「私はお母さんとは同じようにはできないな」と思っていた私はむしろ正常でした。そこに引け目やコンプレックスを感じていたことだけが、私のあやまちでした。

私がそう思わされてしまったのには、実はわけがある。父です。父はなぜだか母のことをべた褒めする人でした。私は巧みに「お前になんか、お母さんを越えられるはずがない」と思わされました。

息子に対して「俺を越えられるはずない!」などとライバル心を燃やす父親がいるらしいけれど、父はひとり娘である私にライバル心をむき出しにしました。私が母より優秀になると、「世界一いい妻を持つ自分」が崩れてしまうのが嫌だったんだと思います。(変な人です。)

父は毎晩のように言いました。「お母さんの作った料理はうまいな」。母は、好き嫌いが多く、肉・魚・卵をまったく食べません。それでも肉の好きな父のために、肉料理を作りました。それがかえって高評価になりました。自分が食べたくないものを家族のためにと作る母は偉い。母は肉料理の味見ができないのに、ピッタリの味にしてくれる母はものすごい料理上手だと・・。

しかも母は、電子レンジや冷凍食品を使わない人でした。前日のお惣菜の温め直しを電子レンジでチンすることはありません。フライパンでじっくり焼き、時には味も付け直す。母を見ていると電子レンジを使うことは「手抜き」以外の何物でもないような気にさせられました。実際母も、「最近はみんなチンだねぇ。私はしないけど・・」とどこか批判的でした。

母は実家が農家だったこともあり、野菜しか食べないし、野菜にうるさい。一緒に買い物に行くと、いい野菜の見分け方を教えてくれる。感心することしきり。そうやって買ってきた野菜が、母の手によって小料理屋でも開けるんじゃないかくらいのレベルの料理になる。「お母さんにはかなわない!」といつしか思わされていったと思います。

そんな母のことを父が褒める。そして私の目から見ても、確かに母は褒められて当然の人物である。父によって、「お母さんに比べてお前は・・」などと言葉巧みに引き立て役にさせられ私の自己肯定感が低くなるのは、当然の結果でした。

私は50歳を過ぎた最近まで、「お母さんにはまだまだ及ばないなぁ」などと心のどこかでずっと思っていました。しかし違いました。あることをきっかけに、母の「虚像」は完全に崩壊しました。それはこんな出来事でした。 [...]


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