知ったかぶりの毒母。その末路(電子レンジもネットも使ったことない) (2)
母は、今でも電子レンジも冷凍食品も使いません。携帯を電話代わりに使うのがせいいっぱいで、インターネットをしたことさえない。もちろんのこと、スマホもやりません。 ...
母は電子機器について「無くてもできる」と批判的でした。「便利になるということは、いい面だけではない」と言っていました。私は母がそういうものを使わないのは、使えないのではなく、使わない選択をしているのだろうと思っていました。しかし違いました。それらはみな、使わないのではなく使えなかったなのだと気づいて愕然としました。
父に介護が必要になりました。療養食が必要になり、高齢者向け配食サービスのお弁当を取るようになりました。それは電子レンジで温めて食べれるようになっており、冬場寒い時期などは、食べる直前にチンした方が美味しく食べれると思いました。
母が電子レンジを使わないのは知っていたけれど、今はチンできるお弁当が父の「毎日の食事」なのです。私は母に、簡易な操作の電子レンジをプレゼントしました。使い方を手取り足取り教えました。
母は、まーーったく電子レンジが使えないことが発覚しました。「何分?」と聞かれたので、「3分が目安だよ」と言いました。「目安」がわからないようでした。何分やれば完璧に仕上がるのか、はっきりしていないと使いたくないようでした。しかしそれは、チンするものの大きさにも、どの程度冷えている状態から始めるのかにもよる。あくまでも「目安」。
いくら教えてもみても、母の思考回路とは平行線をたどるばかり。「3分やって、触ってみて、足らないなと思ったら、30秒やればいいの」。そんな不確実なことしたくない!とでも言わんばかりの顔をしていました。 「お味噌汁とか沸かし直すときも、様子みながら調整するでしょ。それと同じ」。わからないようでした。
別に電子レンジが使えないなら使えないでいい。しかし、それならなぜ「私はそういうの苦手なのよ」と言わないのよ!!・・それが腹立たしかった。「便利になるっていうことは~」などと、それを使っている人が手抜きしているみたな言い方してたじゃない? でも本当は、使わないのではなく、まったく使えなかったんじゃない?
こんなにも融通の利かない頭の持ち主だったとは知らなかった・・と思えることが、父の介護をきっかけに次から次へと出てきて、私の中にできていた「母親像」が完全に崩壊しました。たとえば母は、書類が読めず今までも役所からの書類などもほとんどスルーだったようです。父が入院して手続きがいろいろあったのだけれど、母はそれが驚くほどできなかった。「しっかり者」を装っていた母でしたが、できないことがバレそうなことはすべてスルーしていただけだったと発覚しました。しょうがないから、私が全部書類に目を通し、病院や介護関係の手続きをしました。
母は、知ったかぶりの食べず嫌い。それ以外の何物でもない・・。
何が嫌だったって、そんな母を見抜けなかった自分が嫌だった。私の50年、返してよ!!とわけもなく叫びたくなりました。考えてみれば、私は優秀な母親像を、母だけでなく父にも押し付けられていた。「あのクソおやじ・・許さないっ」とつぶやいたら少しスッキリしました。
今からでも遅くないから、母親から解放されて自分に自信を持って生きたいと思いました。それには、思いっきり逆に振れてみるのがいいかも、と思いました。
冷凍野菜をいっぱい買ってきて「時短料理」に凝りました。電子レンジ使いまくりで料理してやりました。「電子レンジ使ってどこが悪いのよっ。使えないより使えた方がいいに決まってるわよっ」などとカリカリしながら・・。
そんな生活を初めて1年。母の呪縛は過去のことになりつつあります。「親にすっかりだまされていた時期もあった。だまされていたと気づいて怒りまくった時期もあった。それもみんな私の歴史。人生の1ページ。大事なのはこれから」。そう思えるようになりました。
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