親に言いたい。台風被害、心配くらいしてくれてもいいじゃない

子供の頃からそうだった。父にも母にも。私は親から優しくされたことがない。

千葉県に大きな被害をもたらした台風１５号。「史上最強クラス」と言われたこの台風がくるのが私は怖かった。そわそわして何だか落ち着かない。実は私は、台風が怖かっただけじゃない。私は１年前、台風で家屋に被害が出て、そのとき親から信じられないようなことを言われました。そのトラウマがうずいていました。 ...

１年前の９月３０日、台風２４号の影響で、我が家の家屋が一部壊れました。私は父に電話をしました。私はかれこれ７年以上、実家に帰らず、両親とほとんど口を聞いていませんでした。でも、心のどこかで「それじゃいけないな」と思っていた。ちょうどいい機会だからと、勇気を出して実家に電話をしました。

「台風がものすごくて、家がちょっと壊れちゃって、お父さんに相談しようかなと思って」と言いました。実は、父は現役時代、不動産関係の仕事をしており、土地やら家屋やらにとても詳しい。業者さんもたくさん知っている。

しかも、この「家」のことで私たち親子は断絶している。私たちのマイホームの一件でこじれた親子関係なのだから、家のことをきっかけに修復したらどうか、と私は思いました。マイホームの１件・・それはこんなことでした。

私たちがマイホームを建てるとき、父はそれに口を出したがりました。家については、不動産関係の仕事をしていた父の方が詳しいのは明らかでした。でも私たち夫婦にも「こんな家に住みたい」という希望がある。右から左に「それじゃお父さんの言うとおりに」だなんていくはずがない。

父は、私たちの家の間取りにまで口を出しました。夫が「自分の両親が来たときに泊まれる部屋も欲しいから」と言って作った間取りを、「そんなものいらない。こうしろ、ああしろ」と言いました。夫は当然のことながらムッとしていました。当たり前です。父があまりにも過干渉なので、完全シャットアウトするしかなくなりました。

父はひどくヘソを曲げました。「俺は今後お前になーーんにもしてやらない。お前たちがどうなっても、俺はなーーーーんにも知らない」と私は父から言われました。そうは言われても、だからといって、自分たちのお金で建てる自分たちの家に、父の意見を取り入れてご機嫌を取ることはない。私たちは、自分たちの建てたい家を建てました。

父がそういう言い方をするのは、珍しいことではないことは、娘の私がよく知っています。人がちょっとでも自分の言うことを聞かないと、「あいつのことなんて、知らない。俺はもう今度、あいつにぜーーーったい手を貸さない」などとよく言っていました。子供だった私はそれを聞くたびに、「自分はお父さんからああいう風に言われたくない・・」といつも震え上がっていました。だからそのとき私は、「とうとう私も、あの類のことを父に言われちゃったんだな」とかなりショックではあったけれど、なんだかんだ言ったって実の娘です。時間が解決してくれるかもしれない、そうに違いないと思っていました。

しかしそんなに甘い相手ではありませんでした。７年ぶりに会った父は、恐ろしいほどに冷たかった・・。 [...]

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