押し付けがましい。めんどくさい父親 (2)

私は次第に、食べたくないときだけでなく、本当は食べたいときにも、父の厚意をつっぱねるようになっていきました。私は、父の押し付けがましさに反抗していたのだと思います。 ...

その結果私は、本物の「ひねくれ者」になってしまいました。私には、何かしてあげようか、と人に言われると、とっさに「いい」とつっぱねてしまうところがある。一度「ありがとう」と厚意を受けてしまうと、それがどんどんエスカレートし、後々困ったことになるのではないかと、怖くてたまらなくなる・・。

これまで、私は生まれつきひねくれていて、そんな性格だから、父の厚意を素直に受け入れられず、批判されるのだとずっと自分を責めていました。逆でした。私は、父の押し付けがましさによって、「ひねくれ者」になってしまったのだと思います。私を「ひねくれ者」「変わり者」と呼び続けた父が、その原因だったと気づいたときの腹立たしさは、言葉で言い表せません。

子供の頃に身につけた行動や思考のパターンは、人の一生を左右するものなのだなとつくづく思います。人は多かれ少なかれ、日々経験することによって性格を変えたりしながら生きているものだけれど、悪い影響の元凶が、実の親だったのかと思うと、自分の運命を呪いたくなります。

一度は、その性格を直そうとしたこともありましたが、頑張れば頑張るほど、自分で自分を否定しているような惨めな気分になっていき、やめました。私のひねくれた性格は、もう一生直らないでしょう。しかし、それでいいかな、とも思います。

つい先日、夫と一緒に実家に顔を出した帰り道、車を運転しながら、夫が言いました。「あなたは確かに、ひねくれちゃってるところあるけど・・あのお父さんと一緒に暮らしたら、オレもひねくれ者になりそうだ！」。ふたりで大笑いしました。私のこの性格も、今や私の一部なんだなと思います。この性格の私と出会って、好きになってくれた人もいる。今でも実家に帰れば、ことあるごとに「お前は変人だ。ひねくれてる」などと言う父。自分の愚かさに一生気付かないままであろう毒親のことなんか忘れて、私はこのままの自分で前へと進みたいと思います。

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