ヒステリー？癇癪？思い通りにならないと怒る父親 (2)

私のターニングポイントは、ある日突然やってきました。 ...

会社で大きなミスをしてしまいました。まるで父が「何をやっとるんじゃ！」と怒鳴り、「お前なんか、もういらん」とテレビをプチッと切ったときのように、私も上司や会社から捨てられちゃうんだな、と怖くて怖くてたまらなくなりました。「人からお前なんか必要ない、と言われるくらいなら死んでしまおう」と真剣に思いつめました。

思えば、誰もがするようなミスでした。取引先にきちんと謝罪し、挽回すべくもっといい仕事をしようとすることで、さらに実力を伸ばし、会社や取引先からの信頼を勝ち得る。私には、そんな同僚の姿ややり方が、目に入っていませんでした。

上司が、私のミスをフォローし、先輩が励ましてくれました。私は、今ここで会社をやめたら、あの父に敗北することになるのだな、と思いました。どうせ死ぬなら、やるだけやってからにしようと思いました。勇気を出して、もう一度やらせて欲しいと、上司に頭を下げました。

上司も、同僚も、取引先の人さえも、ミスをした私を「お前なかいらん！」と見放しませんでした。

そのとき一緒に仕事をした先輩は、私の夫になりました。なぜ私がこんなにも挫折に弱いのか、自分の生い立ちも打ち明けました。今でも、ふと見捨てられるのではないか、という不安にさいなまれることがあります。頭では、そんな心配することない、とわかっていても、どうしてもそのスイッチが入ってしまうのが、毒親の洗脳なんだなと思います。毒親の洗脳から立ち直るのは、私自身。でも、孤独な毒親育ちには、それを支えてくれる人がそばに必要なんだなとつくづく思います。

先頭へ戻る