正月が憂鬱。年賀状の数を自慢する毒親 (2)

正月が憂鬱。年賀状の数を自慢する毒親 (2)

自分でもどうかしていると思います。私は、頭がおかしいのかもしれない、性格が暗いのかもしれない、とずっと自分を卑下し、卑屈に生きてきました。 ...

そんな生き方から脱却するきっかけをくれたのが『毒親』という言葉でした。今思うと、父には取引先の知り合いはいても、本当の友達はいなかったのではないかと思います。父は孤独だった。だから、年賀状の数で人とのつながりを確認しようとしていた。「今年も300枚来た。だから俺は大丈夫だ」と。

子供とは、なんと敏感に家庭の雰囲気を感じ取っているものなのだろうか、と思います。その父の強がりや不安感は、そっくりお正月の雰囲気として子供だった私に刷り込まれ、私も同じ道をたどってしまったのだと思います。

「父の考え方は間違ってる」と思うことから、私の毒親回復プロセスは始まりました。子供に年賀状の数を自慢するのは間違っている。取引先の知り合いを友達だと錯覚しているのは間違っている。そして、本当は友達が欲しい、人から好かれたい、だけどそれがうまくできずにさびしい、という自分の弱さと向き合うことなく子供に強がっていることが間違っている・・。

私は、父とは違う生き方をすると決めました。私の「年賀状恐怖症」はまだよくなっていません。でも以前と違うのは、「私がおかしいんじゃない。育ってきた家庭環境の影響だ」と冷静に考えることができること。そしてこう自分に言い聞かせます。「私と父とは別の人間だ。私は自分の意志で、父とは違う人生を歩める。絶対に」。

自分の弱さから逃げない生き方をしようと思っています。「確かに私は、友達が少ない方かもしれない」・・自分の弱いところを認めることは、最初は怖かったけれど、一度やってみたらかえってスッキリするとわかりました。「いいじゃない。そんな自分でも」・・開き直ってしまったら、自分を好きになることができました。

私は今、生まれ変わりつつあります。『毒親』という言葉に感謝しています。


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